巨大ウイルスから発見された光でプロトンを輸送するヘリオロドプシン
「1. 光に応答する動物ロドプシンと微生物ロドプシン」ロドプシンは細菌からヒトに至るまで多くの生物に存在する光応答性タンパク質であり, 最近ではウイルスのゲノム上にもロドプシンをコードする配列が見つかっている. ヒトの眼に存在するロドプシンは光の信号を視神経に伝達するため, 視覚における重要な役割を担っている. このような動物の持つロドプシンは動物ロドプシンと呼ばれ, 7回膜貫通構造の中心に光を吸収する分子としてレチナールが結合している. レチナールが光を吸収し, 異性化するとロドプシンの構造が変化し, 三量体Gタンパク質を活性化することで光の情報を伝達している. 一方で藻類や細菌など微生物の...
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Published in | 生物物理 Vol. 64; no. 3; pp. 127 - 131 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本生物物理学会
2024
日本生物物理学会 |
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Summary: | 「1. 光に応答する動物ロドプシンと微生物ロドプシン」ロドプシンは細菌からヒトに至るまで多くの生物に存在する光応答性タンパク質であり, 最近ではウイルスのゲノム上にもロドプシンをコードする配列が見つかっている. ヒトの眼に存在するロドプシンは光の信号を視神経に伝達するため, 視覚における重要な役割を担っている. このような動物の持つロドプシンは動物ロドプシンと呼ばれ, 7回膜貫通構造の中心に光を吸収する分子としてレチナールが結合している. レチナールが光を吸収し, 異性化するとロドプシンの構造が変化し, 三量体Gタンパク質を活性化することで光の情報を伝達している. 一方で藻類や細菌など微生物の持つロドプシンも7回膜貫通構造の中心にレチナールを結合するという共通した構造を持ち, 微生物ロドプシンと呼ばれている. |
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ISSN: | 0582-4052 1347-4219 |
DOI: | 10.2142/biophys.64.127 |