卓球競技の世界トップレベル女子カット主戦型選手の強化過程に関する研究 現役選手7名の技術トレーニングに着目して

「I 緒言」 卓球競技のカット主戦型は, 珍しい戦型(松下, 2002, p.22)であり少数派(宮崎, 2013, p.204)であるとされる. しかし, 2000年以降のオリンピックにおいて, 女子シングルスでは中国人選手(他国への帰化選手を含む)以外のメダル獲得選手3名のうち, 2名がカット主戦型選手であること, 女子団体において, 2008年・2016年にはカット主戦型選手を主力としたチームがメダル獲得を達成していることなど, 特に女子において, カット主戦型は世界トップレベルで活躍できる戦型であるといえる. 1994年国際卓球連盟(以下「ITTF」と略す)発表の女子世界ランキング50...

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Published in体育学研究 Vol. 63; no. 2; pp. 753 - 768
Main Authors 野中, 由紀, 安藤, 真太郎, 山田, 幸雄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本体育学会 10.12.2018
日本体育学会
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Summary:「I 緒言」 卓球競技のカット主戦型は, 珍しい戦型(松下, 2002, p.22)であり少数派(宮崎, 2013, p.204)であるとされる. しかし, 2000年以降のオリンピックにおいて, 女子シングルスでは中国人選手(他国への帰化選手を含む)以外のメダル獲得選手3名のうち, 2名がカット主戦型選手であること, 女子団体において, 2008年・2016年にはカット主戦型選手を主力としたチームがメダル獲得を達成していることなど, 特に女子において, カット主戦型は世界トップレベルで活躍できる戦型であるといえる. 1994年国際卓球連盟(以下「ITTF」と略す)発表の女子世界ランキング50位以内のうち, カット主戦型選手は2名のみであったが, その後緩やかな増加傾向を示し, 2017年には10名となった. 近年カット主戦型選手が増加傾向にある理由について, 景(2012)は「カット主戦型選手の用いる打法が進化し, 防御的なカット主戦型から, 攻撃的なカット主戦型へ転換してきている」ことを挙げている.
ISSN:0484-6710
1881-7718
DOI:10.5432/jjpehss.17063