肺移植適応に関わる抗酸菌症・真菌症
「はじめに」中央肺移植適応検討委員会が取り扱うレシピエントの適応審査症例は年々増加し, 直近の3年の年間総審査件数は150件前後となっている. そのうちの40から50例 (総審査件数の25から35%に相当) が追加情報提供を求める「保留・再評価」症例としていったん実施施設に差し戻されている. その理由は, 悪性疾患の除外状況, 術式選択, 呼吸不全状況, 肥満への対応への追加情報の要望など多岐にわたるが, 最多の理由は感染症の活動性や治療状況に関するものであった. 肺は気道を介して外界と交通するため, 他臓器に比べ活動性, 非活動性の感染巣をもつ頻度が高く, 移植適応と術後の予後に呼吸器感染症...
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Published in | 移植 Vol. 53; no. 4-5; pp. 251 - 255 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本移植学会
2018
日本移植学会 |
Subjects | |
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Summary: | 「はじめに」中央肺移植適応検討委員会が取り扱うレシピエントの適応審査症例は年々増加し, 直近の3年の年間総審査件数は150件前後となっている. そのうちの40から50例 (総審査件数の25から35%に相当) が追加情報提供を求める「保留・再評価」症例としていったん実施施設に差し戻されている. その理由は, 悪性疾患の除外状況, 術式選択, 呼吸不全状況, 肥満への対応への追加情報の要望など多岐にわたるが, 最多の理由は感染症の活動性や治療状況に関するものであった. 肺は気道を介して外界と交通するため, 他臓器に比べ活動性, 非活動性の感染巣をもつ頻度が高く, 移植適応と術後の予後に呼吸器感染症の有無と, そのコントロール状況を審査委員が重視していることを反映しているものと考えられる. 肺移植の禁忌事項にコントロールされていない感染症が挙げられるが, わが国の適応審査の現場でその活動性の評価の対象となるのは, 非結核性抗酸菌症と肺アスペルギルス症である. |
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ISSN: | 0578-7947 2188-0034 |
DOI: | 10.11386/jst.53.4-5_251 |