A大学病院スペシャルニーズ歯科受診患者におけるてんかんの実態に関するアンケート調査

「要旨」 : スペシャルニーズ歯科受診患者のてんかん有病状況, てんかん発作のコントロール状況を明らかにする目的で, 患者の保護者を対象としたアンケート調査を行った. 調査は2013年11月から2014年12月まで対面方式で行った. 調査内容は, (1) てんかんとの診断の有無, (2) 診断された時期 (年齢), (3) 現在の発作の頻度, (4) 発作の症状および (5) 過去1年の大発作 (痙攣, 意識消失を伴う発作) の有無であった. 期間中に調査した対象者は188人, 平均年齢28.6歳 (S.D.10.9) であった. てんかんと診断された者は106人 (56.4%) あり, 障害...

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Published in障害者歯科 Vol. 36; no. 4; pp. 648 - 655
Main Authors 森貴幸, 野島靖子, 前川享子, 村田尚道, 関愛子, 神田ゆう子, 田尻絢子, 細坪允裕, 孫田哲郎, 東倫子, 江草正彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本障害者歯科学会 2015
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Summary:「要旨」 : スペシャルニーズ歯科受診患者のてんかん有病状況, てんかん発作のコントロール状況を明らかにする目的で, 患者の保護者を対象としたアンケート調査を行った. 調査は2013年11月から2014年12月まで対面方式で行った. 調査内容は, (1) てんかんとの診断の有無, (2) 診断された時期 (年齢), (3) 現在の発作の頻度, (4) 発作の症状および (5) 過去1年の大発作 (痙攣, 意識消失を伴う発作) の有無であった. 期間中に調査した対象者は188人, 平均年齢28.6歳 (S.D.10.9) であった. てんかんと診断された者は106人 (56.4%) あり, 障害別では重症心身障害 (SMID) 群, 精神遅滞 (MR) 群で有意に高率であった. てんかんと診断された年齢は, 平均5.7歳 (S.D.6.1) であり, 4歳時までに60%が診断されていた. 障害により有意差があり, SMID群, MR群は比較的低年齢で, 自閉症スペクトラム障害 (ASD) 群, ダウン症候群 (DS) 群は, 比較的高年齢で診断されていた. 現在, 1日1回以上の頻度で発作がある者は15人で診断された者のうち14.2%を占めた. 一方, てんかんとの診断を受けた106人のうち, 発作の既往がない者が11人あり, ILAEの定義による, てんかん有病者は95人 (50.5%) であった. 発作の症状で最も多かったのは, 強直間代発作で, 54人 (50.9%) が有していた. 過去1年以内に大発作を経験した者は26人で全対象者の13.8%であった.
ISSN:0913-1663
DOI:10.14958/jjsdh.36.648