マイクロ波組織凝固装置を用いた無阻血腎部分切除術の腎機能評価法 ―機能的腎実質容積の測定

緒言 腎摘除術や腎部分切除術など腎実質に対する手術適応や術式の決定に際し, ほとんどの泌尿器科医は手術による腎機能への影響を経験的に予測し, その適否を決定してきた. そして, 対側腎が健常な症例において, 分腎機能を絶対的に評価する方法が確立していない現状では, 術後どの程度の腎機能が残存するのかを術前に定量的に予測することは難しい. しかし, 同一個体において腎機能はネフロン総数に依存し, ネフロン総数は機能している腎実質容積と相関するという考えに基づけば, 腎実質に対する手術後の腎機能は, 術後に残存する機能的腎実質容積と術前の機能的腎実質容積との比から予測することが可能である. 我々は...

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Published inJournal of Microwave Surgery Vol. 24; pp. 27 - 31
Main Authors 藤本, 清秀, 田中, 宣道, 吉田, 克法, 平尾, 佳彦, 堀川, 直樹, 林, 美樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 Microwave Surgery研究会 2006
メディカルレビュー社
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Summary:緒言 腎摘除術や腎部分切除術など腎実質に対する手術適応や術式の決定に際し, ほとんどの泌尿器科医は手術による腎機能への影響を経験的に予測し, その適否を決定してきた. そして, 対側腎が健常な症例において, 分腎機能を絶対的に評価する方法が確立していない現状では, 術後どの程度の腎機能が残存するのかを術前に定量的に予測することは難しい. しかし, 同一個体において腎機能はネフロン総数に依存し, ネフロン総数は機能している腎実質容積と相関するという考えに基づけば, 腎実質に対する手術後の腎機能は, 術後に残存する機能的腎実質容積と術前の機能的腎実質容積との比から予測することが可能である. 我々は既に, 腎摘除術やマイクロ波凝固装置による無阻血下腎部分切除術を施行した腎細胞癌症例において, 術前血清クレアチニン(Cr)値と造影CTやMRIの断層画像をもとに3次元画像構築法にて計測した機能的腎実質容積から, 術後の残腎機能を正確に予測することが可能であることを報告しているが1), 本稿では改めてその内容について紹介する.
ISSN:0917-7728
1882-210X
DOI:10.3380/jmicrowavesurg.24.27