小児がん患者の復学に向けた小児病棟看護師の支援の実施状況と課題

小児病棟看護師が行う小児がん患者の復学に向けた支援の実施状況と課題を明らかにすることを目的とし、15歳以下の小児がん患者への看護経験がある小児病棟看護師136名から得られた無記名式質問紙の回答を分析した。実施状況は設問項目ごとに記述統計量を求め、自由回答で求めた支援の課題は意味の類似性によって分類した。結果、晩期合併症の説明を子どもへ毎回実施している看護師は32.4%で全項目中最も少なかった。課題では、【小児がん患者や家族に復学を前向きにとらえてもらうことが難しい】、【学校側のスムーズな復学のための情報・体制・対応が不足している】、【医療従事者としての入院から退院後の継続した復学支援が難しい】...

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Published in日本小児看護学会誌 Vol. 33; pp. 89 - 96
Main Authors 植木, 慎悟, 宮田, 潤子, 長友, 恵莉
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本小児看護学会 2024
日本小児看護学会
Subjects
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ISSN1344-9923
2423-8457
DOI10.20625/jschn.33_89

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Summary:小児病棟看護師が行う小児がん患者の復学に向けた支援の実施状況と課題を明らかにすることを目的とし、15歳以下の小児がん患者への看護経験がある小児病棟看護師136名から得られた無記名式質問紙の回答を分析した。実施状況は設問項目ごとに記述統計量を求め、自由回答で求めた支援の課題は意味の類似性によって分類した。結果、晩期合併症の説明を子どもへ毎回実施している看護師は32.4%で全項目中最も少なかった。課題では、【小児がん患者や家族に復学を前向きにとらえてもらうことが難しい】、【学校側のスムーズな復学のための情報・体制・対応が不足している】、【医療従事者としての入院から退院後の継続した復学支援が難しい】の3カテゴリーが抽出された。看護師は必要な復学支援をしていたが、課題を感じていることも明らかとなった。今後は、復学支援にかかわるすべての人がそれぞれの役割を認識し、スムーズな支援につながるツールの作成が必要である。
ISSN:1344-9923
2423-8457
DOI:10.20625/jschn.33_89