アレルギー性鼻炎患者の点鼻ステロイド治療における効果判定としての鼻腔 NO の有用性

「背景:」アレルギー性鼻炎(AR)患者における治療効果判定としては主観的評価であるvisual analogue scale(VAS)スコア(鼻汁, くしゃみ, 鼻閉)が依然として主流を占めている. AR患者では健常者に比して鼻腔nitric oxide(NO)が高値である. そこでAR患者に対する治療効果の客観的指標として鼻腔NO(nasal NO)の測定を行った. 「対象と方法:」25人の有症状で無加療のアレルギー性鼻炎群(AR群)に対してfluticasone furoate(FF)を保険適応量(1日1回)で2カ月間使用した. 対照群としては10人の健常群とし, 加療を行わずNO濃度の生...

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Published in日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 123; no. 12; pp. 1427 - 1428
Main Authors 濱本, 隆夫, 河野, 崇志, 高原, 大輔, 上田, 勉, 石野, 岳志, 久保田, 和法, 竹野, 幸夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会 20.12.2020
日本耳鼻咽喉科学会
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ISSN0030-6622
1883-0854
DOI10.3950/jibiinkoka.123.1427

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Summary:「背景:」アレルギー性鼻炎(AR)患者における治療効果判定としては主観的評価であるvisual analogue scale(VAS)スコア(鼻汁, くしゃみ, 鼻閉)が依然として主流を占めている. AR患者では健常者に比して鼻腔nitric oxide(NO)が高値である. そこでAR患者に対する治療効果の客観的指標として鼻腔NO(nasal NO)の測定を行った. 「対象と方法:」25人の有症状で無加療のアレルギー性鼻炎群(AR群)に対してfluticasone furoate(FF)を保険適応量(1日1回)で2カ月間使用した. 対照群としては10人の健常群とし, 加療を行わずNO濃度の生理的変動を検討した. 方法としては, 当科で考案した定量吸引器にNO測定器を接続したデバイスを使用して, 図1(Fig.1)で示した通りに鼻腔内の中鼻道(MM area)と下鼻甲介表面(IT area)の2カ所において鼻腔NO測定を行った. 経時的に以下の項目の評価を行った.
ISSN:0030-6622
1883-0854
DOI:10.3950/jibiinkoka.123.1427