ステロイドパルス療法は IgA 腎症の扁桃の組織学的構造に影響を与えるが, 経時的に回復する

• Published in: 日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 122; no. 12; pp. 1559 - 1560
• Main Authors: 安達, 美佳, 佐藤, 光博, 宮崎, 真理子, 堀田, 修, 朴澤, 孝治, 佐藤, 壽伸, 田熊, 淑男, 香取, 幸夫
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会 20.12.2019; 日本耳鼻咽喉科学会
• ISSN: 0030-6622; 1883-0854
• DOI: 10.3950/jibiinkoka.122.1559

「はじめに:」IgA腎症の発症と進行には口蓋扁桃(扁桃)の粘膜免疫の異常が関与していると考えられている. 2001年に堀田らが口蓋扁桃摘出術(扁摘)とステロイドパルス療法(SPT)により高率に寛解が得られることを報告して以来, この治療法は国内で広まった. 「エビデンスに基づくIgA腎症診療ガイドライン2017」では, 治療選択の1つとして記載されたが, 扁桃摘出の施行時期, ステロイドパルス療法の回数や投与量などを含め, 扁摘とステロイドパルス療法の明確なプロトコールは定まっていない. また, Kidney Disease Improving Global Outcomes (KDIGO) Clinical Practice Guideline for Glomerulonephritisではステロイド単独投与は推奨されているが, 扁摘はエビデンスに乏しく行うべきではないとされている.