薬剤管理指導が患者アウトカムに与える効果に関する研究

病院薬剤師による薬剤管理指導業務が, 薬物治療に対する入院患者の理解度や服薬コンプライアンスなどの患者アウトカムに与える効果を検証することを目的として, 入院患者に対する調査を実施した. おもな調査項目は, 薬の名前, 薬効, 用法, 用量, 注意すべき副作用・症状およびその対応, 薬を飲むことへの不安, 薬の服薬状況であった. 指導にあたった薬剤師が, 入院初回面談時と退院指導時に「患者の服薬コンプライアンス・理解度チェックシート」を使用して各調査項目をヒアリングし, 設定基準に基づいて評価した. 入院時と退院時における評価結果を比較し, 有意差の有無をWilcoxonの符号付順位検定にて検...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in医療マネジメント学会雑誌 Vol. 5; no. 2; pp. 349 - 353
Main Authors 黒田, 和夫, 小林, 暁峯, 全田, 浩, 恩田, 光子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本医療マネジメント学会 2004
日本医療マネジメント学会
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN1345-6903
1884-6793
DOI10.11191/jhm2000.5.349

Cover

More Information
Summary:病院薬剤師による薬剤管理指導業務が, 薬物治療に対する入院患者の理解度や服薬コンプライアンスなどの患者アウトカムに与える効果を検証することを目的として, 入院患者に対する調査を実施した. おもな調査項目は, 薬の名前, 薬効, 用法, 用量, 注意すべき副作用・症状およびその対応, 薬を飲むことへの不安, 薬の服薬状況であった. 指導にあたった薬剤師が, 入院初回面談時と退院指導時に「患者の服薬コンプライアンス・理解度チェックシート」を使用して各調査項目をヒアリングし, 設定基準に基づいて評価した. 入院時と退院時における評価結果を比較し, 有意差の有無をWilcoxonの符号付順位検定にて検証を行った. その結果, すべての調査項目において有意な改善が認められた. したがって, 薬剤管理指導業務の実施は, 患者の薬物治療への理解度を高め, 薬を服用することへの不安を軽減し, 服薬コンプライアンスを高めることが実証された.
ISSN:1345-6903
1884-6793
DOI:10.11191/jhm2000.5.349