肝エキノコックス症の1例

症例は中部地区在住の20歳代女性,外国籍,発熱と倦怠感のために近医を受診。腹部単純CT検査で肝内に嚢胞性病変を認めたため,肝膿瘍の疑いにて精査加療目的で当院紹介となった。嚢胞はS4/S8境界部に厚い被膜形成を伴った45 mm大の単嚢胞性病変であった。嚢胞内容液を超音波ガイド下で穿刺吸引し一般検査,細胞診検査を行い,原頭節や鉤を認めた。本症例は中部地区在住であるが,2年前にボリビア多民族国より来日していた。ボリビア多民族国では猫や犬が住居周りに多く生息するとともにエキノコックス症の多発地帯である。ボリビア多民族国で感染したと考えられる肝エキノコックス症を経験したので報告する。...

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Published in医学検査 Vol. 71; no. 3; pp. 567 - 573
Main Authors 森, 栄, 後藤, なつ美, 桑原, 啓伍, 畑中, 佑惟, 古池, 美奈子, 小林, 泰樹, 仲上, 毅文
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会 25.07.2022
日本臨床衛生検査技師会
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Summary:症例は中部地区在住の20歳代女性,外国籍,発熱と倦怠感のために近医を受診。腹部単純CT検査で肝内に嚢胞性病変を認めたため,肝膿瘍の疑いにて精査加療目的で当院紹介となった。嚢胞はS4/S8境界部に厚い被膜形成を伴った45 mm大の単嚢胞性病変であった。嚢胞内容液を超音波ガイド下で穿刺吸引し一般検査,細胞診検査を行い,原頭節や鉤を認めた。本症例は中部地区在住であるが,2年前にボリビア多民族国より来日していた。ボリビア多民族国では猫や犬が住居周りに多く生息するとともにエキノコックス症の多発地帯である。ボリビア多民族国で感染したと考えられる肝エキノコックス症を経験したので報告する。
ISSN:0915-8669
2188-5346
DOI:10.14932/jamt.21-106