胸腔鏡補助下に肋間静脈穿刺にて中心静脈ポートを留置した短腸症候群の1幼児例
「要旨」主要血管が閉塞した際, 代替ルートによる中心静脈カテーテル留置手技が報告されている. 今回我々は幼児に対して胸腔鏡補助下に肋間静脈より中心静脈ポートを留置し得たため報告する. 症例は4歳男児. 短腸症候群のために在宅中心静脈栄養を行っていたが, 繰り返すカテーテル関連血流感染症により主要血管が閉塞したため, 肋間静脈から奇静脈経由で中心静脈カテーテルを留置する方針とした. 右第6肋間静脈を超音波ガイド下に穿刺し, 胸腔鏡下にガイドワイヤーを奇静脈から上大静脈へ誘導し, 奇静脈弓内にカテーテルを留置した. 術後1か月でカテーテルが肋間静脈から逸脱したため右第5肋間静脈経由で上大静脈内に留...
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Published in | 日本小児外科学会雑誌 Vol. 59; no. 7; pp. 1114 - 1118 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本小児外科学会
20.12.2023
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Summary: | 「要旨」主要血管が閉塞した際, 代替ルートによる中心静脈カテーテル留置手技が報告されている. 今回我々は幼児に対して胸腔鏡補助下に肋間静脈より中心静脈ポートを留置し得たため報告する. 症例は4歳男児. 短腸症候群のために在宅中心静脈栄養を行っていたが, 繰り返すカテーテル関連血流感染症により主要血管が閉塞したため, 肋間静脈から奇静脈経由で中心静脈カテーテルを留置する方針とした. 右第6肋間静脈を超音波ガイド下に穿刺し, 胸腔鏡下にガイドワイヤーを奇静脈から上大静脈へ誘導し, 奇静脈弓内にカテーテルを留置した. 術後1か月でカテーテルが肋間静脈から逸脱したため右第5肋間静脈経由で上大静脈内に留置した. 以後の経過は良好で, 再留置後10か月の現在, 在宅中心静脈栄養を継続中である. 手技に工夫を要するが, 主要血管が閉塞した幼児への肋間静脈経由の中心静脈カテーテル留置は有用な方法であると考えられた. |
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ISSN: | 0288-609X |
DOI: | 10.11164/jjsps.59.7_1114 |