生体ドナーからの用手補助腹腔鏡下移植腎採取術100例の経験

2003年より13年まで100 例の生体ドナーからの用手補助腹腔鏡下移植腎採取術を施行した.年齢は平均57歳.採取側は右21例,左79例で,アプローチは経腹膜と経後腹膜が97例と3例であった.4例で開腹移行した.気腹時間は平均242±66分で輸血例はなかった.温阻血時間(WIT)は平均5±2分でドナー側要因によるdelayed graft functionはなかった.高BMI症例と複数腎動脈例ではWITが有意に延長したが,気腹時間,出血量,初尿時間に影響はなかった.合併症はClavien分類1度12例,2度8例であった.ドナーの推定糸球体濾過率は術後1ヶ月で術前の60.9%と低下した後,1年目...

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Published inJapanese Journal of Endourology Vol. 28; no. 2; pp. 241 - 246
Main Authors 田岡, 利宣也, 上田, 康生, 滝内, 秀和, 樋口, 喜英, 呉, 秀賢, 三井, 要造, 野島, 道生, 鈴木, 透, 東郷, 容和, 兼松, 明弘, 山田, 祐介, 山本, 新吾, 長澤, 誠司, 白石, 裕介, 橋本, 貴彦, 嶋谷, 公宏
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本泌尿器内視鏡学会 01.09.2015
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ISSN2186-1889
2187-4700
DOI10.11302/jsejje.28.241

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Summary:2003年より13年まで100 例の生体ドナーからの用手補助腹腔鏡下移植腎採取術を施行した.年齢は平均57歳.採取側は右21例,左79例で,アプローチは経腹膜と経後腹膜が97例と3例であった.4例で開腹移行した.気腹時間は平均242±66分で輸血例はなかった.温阻血時間(WIT)は平均5±2分でドナー側要因によるdelayed graft functionはなかった.高BMI症例と複数腎動脈例ではWITが有意に延長したが,気腹時間,出血量,初尿時間に影響はなかった.合併症はClavien分類1度12例,2度8例であった.ドナーの推定糸球体濾過率は術後1ヶ月で術前の60.9%と低下した後,1年目に術前の64.7%に回復した.本術式はドナーの安全性と移植腎機能をともに保持しうる低侵襲手術である.
ISSN:2186-1889
2187-4700
DOI:10.11302/jsejje.28.241