腹部手術歴のある症例に対するロボット支援腹腔鏡下前立腺全摘術の検討

2011年9月〜2015年1月に限局性前立腺癌に対してRALPを施行した500例を対象に腹部手術既往あり群140例と腹部手術既往群360例で周術期治療成績を後方視的に検討した. 患者背景では腹部手術既往あり群で高齢であった.BMI,PSA,臨床病期,Gleason score(GS),前立腺体積で2群間に差はなかった.手術歴は虫垂炎が最も多かった.周術期治療成績は手術時間,コンソール時間,出血量,輸血率,病理学的 T stage,リンパ節転移の有無,リンパ節摘出数,GS,切除断端陽性に関して2群間に差は認めず,腹部手術既往あり群で追加ポート作成は多かった.重篤な有害事象は各術者の初期症例で腹部...

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Published inJapanese Journal of Endourology Vol. 29; no. 2; pp. 220 - 223
Main Authors 小林, 将行, 篠崎, 哲男, 小丸, 淳, 佐藤, 陽介, 竹下, 暢重, 市川, 智彦, 植田, 健, 本間, 之夫, 深沢, 賢, 梨井, 隼菱
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本泌尿器内視鏡学会 01.09.2016
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ISSN2186-1889
2187-4700
DOI10.11302/jsejje.29.220

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Summary:2011年9月〜2015年1月に限局性前立腺癌に対してRALPを施行した500例を対象に腹部手術既往あり群140例と腹部手術既往群360例で周術期治療成績を後方視的に検討した. 患者背景では腹部手術既往あり群で高齢であった.BMI,PSA,臨床病期,Gleason score(GS),前立腺体積で2群間に差はなかった.手術歴は虫垂炎が最も多かった.周術期治療成績は手術時間,コンソール時間,出血量,輸血率,病理学的 T stage,リンパ節転移の有無,リンパ節摘出数,GS,切除断端陽性に関して2群間に差は認めず,腹部手術既往あり群で追加ポート作成は多かった.重篤な有害事象は各術者の初期症例で腹部手術既往群に肺血栓症Grade Ⅳ,術後出血Grade Ⅲb Ⅲa,癒着性イレウスGrade Ⅲbを認めた.RALP施行の際に腹部手術の既往があっても追加ポート作成率以外の周術期成績に有意差はなく安全に施行できると考えられた.
ISSN:2186-1889
2187-4700
DOI:10.11302/jsejje.29.220