経胃瘻的腸用カテーテルによって十二指腸結腸穿通を生じた幼児の1例

「要旨」経胃瘻的腸用カテーテル(以下PEG-Jカテーテル)は, 使用可能な患児の体格に一定の基準がない. 我々は1歳5か月, 体重7.3kgの幼児に胃瘻を通じて16Fr, 長さ400mmのPEG-Jカテーテルを留置し, 十二指腸から結腸に穿通する合併症を経験したため報告する. 留置2か月後, 肛門よりカテーテルの先端が脱出した. 腹部CT検査によりカテーテル先端による十二指腸結腸穿通と診断した. 留置時から十二指腸水平脚付近でカテーテル先端が十二指腸壁を強く圧迫していたことが原因と考えられた. カテーテルを抜去して2週間保存的加療を行った後に, 瘻孔の機能的閉鎖を確認した. 乳幼児に対するPE...

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Published in日本小児外科学会雑誌 Vol. 59; no. 6; pp. 1009 - 1013
Main Authors 吉田美奈, 山道拓, 堺貴彬, 高山慶太, 宇賀菜緒子, 梅田聡, 前川昌平, 臼井規朗
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本小児外科学会 20.10.2023
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Summary:「要旨」経胃瘻的腸用カテーテル(以下PEG-Jカテーテル)は, 使用可能な患児の体格に一定の基準がない. 我々は1歳5か月, 体重7.3kgの幼児に胃瘻を通じて16Fr, 長さ400mmのPEG-Jカテーテルを留置し, 十二指腸から結腸に穿通する合併症を経験したため報告する. 留置2か月後, 肛門よりカテーテルの先端が脱出した. 腹部CT検査によりカテーテル先端による十二指腸結腸穿通と診断した. 留置時から十二指腸水平脚付近でカテーテル先端が十二指腸壁を強く圧迫していたことが原因と考えられた. カテーテルを抜去して2週間保存的加療を行った後に, 瘻孔の機能的閉鎖を確認した. 乳幼児に対するPEG-Jカテーテル留置の適応は, デバイスの規格に対して適正な体格かを十分に検討すべきであり, 特に10kg以下の児には腸管穿孔に留意した観察が必要である. また, 安定化した瘻孔は外科的介入を行わなくても自然閉鎖が期待できると考えられた.
ISSN:0288-609X
DOI:10.11164/jjsps.59.6_1009