成人脳性麻痺者の椅子からの立ち上がり動作の研究
〔目的〕成人痙直型両麻痺者の立ち上がり動作時の特徴を明らかにすること.〔対象〕健常者12名と成人痙直型両麻痺者16名を対象とした.〔方法〕成人痙直型両麻痺者を予備テストに基づいて動作安定群9名と動作不安定群7名に分け,さらに運動学的に正常な椅子からの立ち上がり動作が可能な健常者群と合わせて3群を設定した.3群それぞれの椅子からの立ち上がり動作をデジタルビデオカメラで撮影し,データをコンピュータに取り込み,動作解析を行い,動作特性を比較した.〔結果〕動作不安定群では,1)全動作時間の延長,2)離殿期における支持基底面と身体重心の距離の減少,3)離殿期における重心最大水平速度の遅延,4)離殿期の下...
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Published in | 理学療法科学 Vol. 26; no. 5; pp. 613 - 617 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
理学療法科学学会
2011
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Subjects | |
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ISSN | 1341-1667 2434-2807 |
DOI | 10.1589/rika.26.613 |
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Summary: | 〔目的〕成人痙直型両麻痺者の立ち上がり動作時の特徴を明らかにすること.〔対象〕健常者12名と成人痙直型両麻痺者16名を対象とした.〔方法〕成人痙直型両麻痺者を予備テストに基づいて動作安定群9名と動作不安定群7名に分け,さらに運動学的に正常な椅子からの立ち上がり動作が可能な健常者群と合わせて3群を設定した.3群それぞれの椅子からの立ち上がり動作をデジタルビデオカメラで撮影し,データをコンピュータに取り込み,動作解析を行い,動作特性を比較した.〔結果〕動作不安定群では,1)全動作時間の延長,2)離殿期における支持基底面と身体重心の距離の減少,3)離殿期における重心最大水平速度の遅延,4)離殿期の下腿傾斜角度の減少が認められた.〔結語〕成人脳性麻痺者の立ち上がり動作において上記4項目の評価は潜在的に立ち上がり動作が不安定である症例を抽出できる可能性を示唆する. |
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ISSN: | 1341-1667 2434-2807 |
DOI: | 10.1589/rika.26.613 |