生涯教育研修制度に基づくオンライン型Off-the-Job trainingの集客力とビデオオンデマンド配信のワークライフバランス改善効果―臨床検査技師を対象としたオンライン調査

奈良県臨床検査技師会では,COVID-19パンデミックを機に2020年度よりオンライン型Off-JTを導入している。本研究では従来の対面型とは異なる特徴を持つオンライン型Off-JTを評価した。まずオンライン型の開催数と受講者数から対面型と集客力を比較した。その結果,オンライン型は対面型よりも開催数が40.8%(116対196)下回っていたものの平均受講者数は105.4%(39.7対19.3)上回った。次に受講者の利便性向上を目的としてライブとvideo on demand(VOD)を併用した配信をYouTubeで限定的に行いオンライン調査によりその有用性をwork-life balance(...

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Published in医学検査 Vol. 72; no. 4; pp. 628 - 635
Main Authors 池嶋, 拓弥, 山口, 直子, 龍見, 重信, 大前, 和人, 茶木, 善成, 阿部, 教行, 小林, 史孝, 李, 相太
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会 25.10.2023
日本臨床衛生検査技師会
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Summary:奈良県臨床検査技師会では,COVID-19パンデミックを機に2020年度よりオンライン型Off-JTを導入している。本研究では従来の対面型とは異なる特徴を持つオンライン型Off-JTを評価した。まずオンライン型の開催数と受講者数から対面型と集客力を比較した。その結果,オンライン型は対面型よりも開催数が40.8%(116対196)下回っていたものの平均受講者数は105.4%(39.7対19.3)上回った。次に受講者の利便性向上を目的としてライブとvideo on demand(VOD)を併用した配信をYouTubeで限定的に行いオンライン調査によりその有用性をwork-life balance(WLB)で評価した。その結果WLB改善効果は回答者の81.9%(458/559)で示された。視聴方法別のWLB改善効果は,VOD:84.1%(376/447),ライブ:73.2%(82/112)となった。オンライン型Off-JTにおける集客力の向上は,インターネット接続端末での視聴による移動の負担の消失が主な要因と考える。ライブとVODの併用によるWLB改善効果は,視聴時間の自己調整が可能となったことによる自由時間の確保がその実感に繋がったと考える。オンライン型Off-JTと VOD配信による地理的・時間的制約からの解放は,受講者の利便性を向上させ前向きな効果を生むことが示された。
ISSN:0915-8669
2188-5346
DOI:10.14932/jamt.23-42