成人脊柱変形矯正手術の胸椎-腸骨固定術において術中残存するcoronal malalignmentに対してkickstand rod techniqueで追加矯正を行なった3例

はじめに:kickstand rod technique(KRT)はLenkeらが発案した,胸椎-腸骨矯正固定の術中・術後に残存するcoronal malalignment(CM)に対する矯正手技である.今回,腰椎変性後側弯症の術中に,通常の矯正操作後になお残存するCMに対して,KRTにて追加矯正した3例を経験したので報告する.症例:それぞれ73,68,74歳女性で,術前のC7 plumblineとcenter sacral vertical line(C7PL-CSVL)は65,20,33 mmであった.いずれも前方でlateral interbody fusion(LIF)(L2/3-4/...

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Published inJournal of Spine Research Vol. 14; no. 2; pp. 93 - 100
Main Author 谷田, 司明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脊椎脊髄病学会 20.02.2023
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ISSN1884-7137
2435-1563
DOI10.34371/jspineres.2022-0022

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Summary:はじめに:kickstand rod technique(KRT)はLenkeらが発案した,胸椎-腸骨矯正固定の術中・術後に残存するcoronal malalignment(CM)に対する矯正手技である.今回,腰椎変性後側弯症の術中に,通常の矯正操作後になお残存するCMに対して,KRTにて追加矯正した3例を経験したので報告する.症例:それぞれ73,68,74歳女性で,術前のC7 plumblineとcenter sacral vertical line(C7PL-CSVL)は65,20,33 mmであった.いずれも前方でlateral interbody fusion(LIF)(L2/3-4/5,L2/3-4/5,L1/2-5/6)を行い,二期的に後方固定(第9胸椎-腸骨)を行った.LIFを施行しなかった下位腰椎-仙椎には後方椎体間固定を行った.通常の矯正操作後の術中X線像でCMの残存を認めたため,KRTで追加矯正した.術後最初の立位X線像でC7PL-CSVLは11,13,18 mmであった.結語:術中に残存するCMに対し,KRTによって追加矯正を行なった3例を経験した.KRTは簡便かつ有用な手技である.
ISSN:1884-7137
2435-1563
DOI:10.34371/jspineres.2022-0022