当科における腹腔鏡下尿膜管摘出術の治療経験

8例の尿膜管遺残症の患者に対して施行した腹腔鏡下尿膜管摘出術の術式と周術期成績を検討した.排膿を認めた症例では,抗菌薬投与にて炎症の鎮静化後に手術を施行した.臍頭側にカメラポートを挿入,操作ポートは尿膜管を挟むように両側側腹部に置いた.臍尾側に小切開を置き,腹膜と腹壁の間を鈍的に剥離した.腹腔鏡操作にて尿膜管を臍近傍まで剥離し,最後に直視下で臍深部を離断,臍浅部は温存した.膀胱側は全例で膀胱部分切除を施行した.手術時間は中央値158.5分,出血量は中央値15mlであった.周術期合併症としては後出血1例,創感染1例を認めた.尿道カテーテル抜去は術後中央値7日,退院は術後中央値9日であった.4ポー...

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Published inJapanese Journal of Endourology Vol. 29; no. 1; pp. 114 - 118
Main Authors 鰐渕, 敦, 舛森, 直哉, 加藤, 隆一, 宮尾, 則臣, 前鼻, 健志
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本泌尿器内視鏡学会 01.04.2016
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ISSN2186-1889
2187-4700
DOI10.11302/jsejje.29.114

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Summary:8例の尿膜管遺残症の患者に対して施行した腹腔鏡下尿膜管摘出術の術式と周術期成績を検討した.排膿を認めた症例では,抗菌薬投与にて炎症の鎮静化後に手術を施行した.臍頭側にカメラポートを挿入,操作ポートは尿膜管を挟むように両側側腹部に置いた.臍尾側に小切開を置き,腹膜と腹壁の間を鈍的に剥離した.腹腔鏡操作にて尿膜管を臍近傍まで剥離し,最後に直視下で臍深部を離断,臍浅部は温存した.膀胱側は全例で膀胱部分切除を施行した.手術時間は中央値158.5分,出血量は中央値15mlであった.周術期合併症としては後出血1例,創感染1例を認めた.尿道カテーテル抜去は術後中央値7日,退院は術後中央値9日であった.4ポートの腹腔鏡手技により膀胱部分切除及び膀胱閉鎖を含めて,腹腔鏡下尿膜管摘出術は安全に施行可能であると考えられた.
ISSN:2186-1889
2187-4700
DOI:10.11302/jsejje.29.114