小児Mycoplasma pneumoniae肺炎におけるスマートジーン® Mycoの有用性

Mycoplasma pneumoniae(Mp)DNAとそのマクロライド耐性化遺伝子変異を同時かつ迅速に検出できる遺伝子検査法のスマートジーン® Myco(スマートジーン)について,小児Mp肺炎における有用性を検討した。2019年4月からの1年間に,当院小児科に肺炎で入院した146例(7か月~14歳7か月)から咽頭ぬぐい液を採取し,スマートジーンとloop-mediated isothermal amplification(LAMP)法を用いてMp遺伝子検査を行った。スマートジーンでMp DNAが検出されたのは43例(29.5%)であり,その遺伝子変異陽性率は25.6%(11/43)であった...

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Published in医学検査 Vol. 71; no. 1; pp. 101 - 105
Main Authors 宮澤, 翔吾, 後藤, 研誠, 河内, 誠, 及川, 加奈, 魚住, 佑樹, 舟橋, 恵二, 西村, 直子, 尾崎, 隆男
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会 25.01.2022
日本臨床衛生検査技師会
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Summary:Mycoplasma pneumoniae(Mp)DNAとそのマクロライド耐性化遺伝子変異を同時かつ迅速に検出できる遺伝子検査法のスマートジーン® Myco(スマートジーン)について,小児Mp肺炎における有用性を検討した。2019年4月からの1年間に,当院小児科に肺炎で入院した146例(7か月~14歳7か月)から咽頭ぬぐい液を採取し,スマートジーンとloop-mediated isothermal amplification(LAMP)法を用いてMp遺伝子検査を行った。スマートジーンでMp DNAが検出されたのは43例(29.5%)であり,その遺伝子変異陽性率は25.6%(11/43)であった。Mp DNA検出におけるスマートジーンのLAMP法との比較では,陽性一致率95.5%,陰性一致率99.0%,全体一致率97.9%であり,高い一致率を示した。遺伝子変異の結果判定後に抗菌薬が変更されたのは変異陽性群で7例,変異陰性群で8例あり,最終的にマクロライド系抗菌薬で治療されたのは,変異陽性群で9.1%(1/11),変異陰性群では93.8%(30/32)であった(p < 0.01)。迅速・簡便にMp DNAと遺伝子変異を検出できるスマートジーンは,小児Mp肺炎において適切な抗菌薬選択に寄与できる有用な遺伝子検査法である。
ISSN:0915-8669
2188-5346
DOI:10.14932/jamt.21-15