沖縄本島北部の植生におけるマダニ類の季節消長

「緒言」 マダニ類は, 日本紅斑熱や重症熱性血小板減少症候群(severe fever with thrombocytopenia syndrome, SFTS)などの感染症を媒介することから, これら疾患の疫学研究の一環として, 全国的に生息調査や季節消長調査が行われている. 沖縄県の日本紅斑熱は2010年の初めての報告(岩間ら, 2011)以降, 2020年7月現在までに4例の発生が確認されている(沖縄県衛生環境研究所, 2017). 県内のSFTSについては2016年に1例が報告されている(猪谷, 2017). 沖縄県における日本紅斑熱の4例は疫学調査によりいずれも沖縄本島北部が感染地域...

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Published inMedical Entomology and Zoology Vol. 72; no. 1; pp. 27 - 30
Main Authors 安座間, 安仙, 福地, 斉志, 久場, 由真仁, 喜屋武, 向子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本衛生動物学会 25.03.2021
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Summary:「緒言」 マダニ類は, 日本紅斑熱や重症熱性血小板減少症候群(severe fever with thrombocytopenia syndrome, SFTS)などの感染症を媒介することから, これら疾患の疫学研究の一環として, 全国的に生息調査や季節消長調査が行われている. 沖縄県の日本紅斑熱は2010年の初めての報告(岩間ら, 2011)以降, 2020年7月現在までに4例の発生が確認されている(沖縄県衛生環境研究所, 2017). 県内のSFTSについては2016年に1例が報告されている(猪谷, 2017). 沖縄県における日本紅斑熱の4例は疫学調査によりいずれも沖縄本島北部が感染地域と推定されており, SFTSの1例については詳細な地域は特定されなかったものの, 沖縄本島が推定感染地域と考えられている. そのため, 沖縄本島におけるマダニ類の季節消長の把握は, 沖縄県におけるマダニ媒介性感染症の疫学的解明や予防に重要と考えられる.
ISSN:0424-7086
2185-5609
DOI:10.7601/mez.72.27