心不全におけるフレイル発生機序

「1. はじめに」高齢心不全患者の増加を背景に, 心不全に併存するフレイル(心不全フレイル)への対応は循環器臨床における喫緊の課題となり, 国内外のガイドラインでもその重要性が明記されるに至った. また, フレイルは心不全の予後不良因子であることが数多くのコホート研究で報告され, 生活機能に加えて予後改善という観点からも心臓リハビリテーションの介入標的として認知されている. しかしながら, 心不全フレイルに対する介入は手探りの状態が続いているのが実状であり, その評価法も確立されていない. さらに, 「フレイル」という言葉が先行することで, 身体機能以外の病態評価が疎かになり易い点も懸念される...

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Published inJournal of Clinical Physiology Vol. 49; no. 3; pp. 125 - 129
Main Authors 山田, 純生, 足立, 拓史
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床生理学会 01.08.2019
Japanese Society of Clinical Physiology
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ISSN0286-7052
2435-1695
DOI10.34363/jocp.49.3_125

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Summary:「1. はじめに」高齢心不全患者の増加を背景に, 心不全に併存するフレイル(心不全フレイル)への対応は循環器臨床における喫緊の課題となり, 国内外のガイドラインでもその重要性が明記されるに至った. また, フレイルは心不全の予後不良因子であることが数多くのコホート研究で報告され, 生活機能に加えて予後改善という観点からも心臓リハビリテーションの介入標的として認知されている. しかしながら, 心不全フレイルに対する介入は手探りの状態が続いているのが実状であり, その評価法も確立されていない. さらに, 「フレイル」という言葉が先行することで, 身体機能以外の病態評価が疎かになり易い点も懸念される. そこで本稿では, 心不全フレイルの概念を整理した上で, 現時点で想定されるフレイル発生機序について述べ, 最後に, 我々が取り組んでいる心不全フレイルの診断基準開発を目的とした多施設前向きコホート研究からの知見を紹介したいと思う.
ISSN:0286-7052
2435-1695
DOI:10.34363/jocp.49.3_125