法的脳死判定の結果と課題―102例の検証結果から
「はじめに」 脳死下臓器提供は法律に基づいた脳死判定(法的脳死判定)が行われ, 脳死判定と一連の診断過程, 臓器提供斡旋に係る手順などは後日厚生労働省による検証を受けることになっている. 当初は臓器移植専門委員会で行われた検証作業は提供施設から主治医を招聘して行っていたが, その後は厚生労働省検証会議の下に設置された医学的検証作業グループが提供施設より提出された「検証資料フォーマット」を基に行われている. このような経緯の中で, 2012年3月に臓器移植専門委員会, および検証会議にて検証が行われた102例の検証事例の結果の概要が厚生労働省から公表された(以下, 検証報告書). さらに, 平成...
Saved in:
Published in | Japanese Journal of Transplantation Vol. 48; no. 2-3; pp. 89 - 95 |
---|---|
Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本移植学会
10.06.2013
日本移植学会 The Japan Society for Transplantation |
Online Access | Get full text |
Cover
Loading…
Summary: | 「はじめに」 脳死下臓器提供は法律に基づいた脳死判定(法的脳死判定)が行われ, 脳死判定と一連の診断過程, 臓器提供斡旋に係る手順などは後日厚生労働省による検証を受けることになっている. 当初は臓器移植専門委員会で行われた検証作業は提供施設から主治医を招聘して行っていたが, その後は厚生労働省検証会議の下に設置された医学的検証作業グループが提供施設より提出された「検証資料フォーマット」を基に行われている. このような経緯の中で, 2012年3月に臓器移植専門委員会, および検証会議にて検証が行われた102例の検証事例の結果の概要が厚生労働省から公表された(以下, 検証報告書). さらに, 平成23年度厚生労働科学研究「円滑な脳死下臓器提供に資するための科学的分析に関する研究」からより詳細な報告書(以下, 研究班報告書)が作成された. そこで本稿では, より円滑な法的脳死判定を行うために過去の検証事例で公表された内容を中心に, それらを要約することにした. |
---|---|
ISSN: | 0578-7947 2188-0034 |
DOI: | 10.11386/jst.48.89 |