腹腔鏡下腎部分切除術における周術期成績の臨床的検討─RENAL nephrometry score との関連性について

当施設での腹腔鏡下腎部分切除術(LPN)の周術期成績とRENAL nephrometry score(RNS)との関連性を検討した.2009年12月から2013年4月に当施設でLPNが施行された52例の手術成績を後ろ向きに調査し,RNSとの関連性を検討した.術前のCT画像からRNSの5項目中の(R)腫瘍径,(E)腫瘍の外方/内方増殖性,(N)腫瘍のcollecting systemまたは腎洞への近接度,(L)腫瘍の縦位置の4項目を1-3ポイントで評価し,RNSでの複雑性を合計ポイントが4-6のlow,7-9のmoderate,10-12のhighに分類した.RNSのlowとmoderateの間...

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Published inJapanese Journal of Endourology Vol. 27; no. 2; pp. 344 - 350
Main Authors 赤井畑, 秀則, 佐藤, 雄一, 小島, 祥敬, 村上, 房夫, 矢部, 通弘, 川島, 洋平, 羽賀, 宣博, 秦, 淳也, 柳田, 知彦, 國分, 周子, 松岡, 俊光, 細井, 隆之, 片岡, 政雄, 内田, 久志
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本泌尿器内視鏡学会 01.09.2014
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ISSN2186-1889
2187-4700
DOI10.11302/jsejje.27.344

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Summary:当施設での腹腔鏡下腎部分切除術(LPN)の周術期成績とRENAL nephrometry score(RNS)との関連性を検討した.2009年12月から2013年4月に当施設でLPNが施行された52例の手術成績を後ろ向きに調査し,RNSとの関連性を検討した.術前のCT画像からRNSの5項目中の(R)腫瘍径,(E)腫瘍の外方/内方増殖性,(N)腫瘍のcollecting systemまたは腎洞への近接度,(L)腫瘍の縦位置の4項目を1-3ポイントで評価し,RNSでの複雑性を合計ポイントが4-6のlow,7-9のmoderate,10-12のhighに分類した.RNSのlowとmoderateの間で, 手術時間(222 vs 263min;p=0.03),出血量(25 vs 105ml;p=0.04)に有意差を認めた.一方,阻血時間(p=0.74)と合併症(p=0.81)は有意差を認めなかった.手術時期で前期(n=26)と後期(n=26)に分けて比較すると,RNS(5.6 vs 6.9 point;p<0.01)と阻血時間(38 vs 24 min;p<0.01)に有意差を認めた.LRPの手技が安定した後期において,手術難度が高い腎腫瘍にも適応を広げている状況をRNSが示していると考えられた.RNSはLPNの手技の難易度を層別化できる指標であると考えられた.
ISSN:2186-1889
2187-4700
DOI:10.11302/jsejje.27.344