褐色細胞腫に対する副腎摘除術の術式の選択に関する検討─腹腔鏡下手術と開放手術との比較から
褐色細胞腫に対する副腎摘除術の術式の妥当性について臨床的に検討するため,1992年1月から2010年9月までに当院で施行した腹腔鏡下手術(laparoscopic adrenalectomy:LA)28例を同時期に施行した開放手術(openadrenalectomy:OA)8例と比較した. 患者背景では,Body Mass Index,患側,腫瘍径,術前の血圧に差を認めず,OAで24時間の尿中カテコラミン代謝物が有意に高値であった(p<0.05).手術成績ではOAで有意に出血量が多く(p<0.05),3例に腎合併切除などの拡大手術を必要としたが,手術時間や術中血圧に差を認めなかった. 褐色細...
Saved in:
Published in | Japanese Journal of Endourology Vol. 25; no. 1; pp. 123 - 127 |
---|---|
Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本泌尿器内視鏡学会
01.04.2012
|
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 2186-1889 2187-4700 |
DOI | 10.11302/jsejje.25.123 |
Cover
Summary: | 褐色細胞腫に対する副腎摘除術の術式の妥当性について臨床的に検討するため,1992年1月から2010年9月までに当院で施行した腹腔鏡下手術(laparoscopic adrenalectomy:LA)28例を同時期に施行した開放手術(openadrenalectomy:OA)8例と比較した. 患者背景では,Body Mass Index,患側,腫瘍径,術前の血圧に差を認めず,OAで24時間の尿中カテコラミン代謝物が有意に高値であった(p<0.05).手術成績ではOAで有意に出血量が多く(p<0.05),3例に腎合併切除などの拡大手術を必要としたが,手術時間や術中血圧に差を認めなかった. 褐色細胞腫に対する腹腔鏡下副腎摘除術は有用で第一選択となる標準術式であるが,それを安全に行うためには開放手術が必要な症例を術前に見極めることが重要である. |
---|---|
ISSN: | 2186-1889 2187-4700 |
DOI: | 10.11302/jsejje.25.123 |