原発性アルドステロン症に対する腹腔鏡下副腎摘除術後の降圧薬内服中止に関する臨床的検討:新規予測因子の報告

原発性アルドステロン症(PA)は外科的に治癒が可能な二次性高血圧であるが,全症例で術後降圧薬内服を全て中止することができる訳ではない.今回,当院でPAに対し片側の腹腔鏡下副腎摘除術を受けた102例を対象に術後降圧薬内服に関して統計学的検討を行った.43.1%の症例で術後降圧薬内服を全て中止できた.多変量解析の結果,術前降圧薬内服におけるアルドステロン拮抗薬の割合が0.5以上(オッズ比[OR]10.6;p<0.01)及び6年以下の高血圧罹患歴(OR5.0;p<0.01),女性(OR4.0;p<0.01)が,術後降圧薬内服の中止に関する予測因子となった.多くの文献で,術前降圧薬の種類の少なさ(2種...

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Published inJapanese Journal of Endourology Vol. 26; no. 2; pp. 257 - 262
Main Authors 川村, 幸治, 二瓶, 直樹, 柳澤, 充, 市川, 智彦, 加賀, 麻祐子, 納谷, 幸男, 内海, 孝信, 佐塚, 智和, 今本, 敬, 神谷, 直人, 鈴木, 啓悦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本泌尿器内視鏡学会 01.09.2013
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ISSN2186-1889
2187-4700
DOI10.11302/jsejje.26.257

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Summary:原発性アルドステロン症(PA)は外科的に治癒が可能な二次性高血圧であるが,全症例で術後降圧薬内服を全て中止することができる訳ではない.今回,当院でPAに対し片側の腹腔鏡下副腎摘除術を受けた102例を対象に術後降圧薬内服に関して統計学的検討を行った.43.1%の症例で術後降圧薬内服を全て中止できた.多変量解析の結果,術前降圧薬内服におけるアルドステロン拮抗薬の割合が0.5以上(オッズ比[OR]10.6;p<0.01)及び6年以下の高血圧罹患歴(OR5.0;p<0.01),女性(OR4.0;p<0.01)が,術後降圧薬内服の中止に関する予測因子となった.多くの文献で,術前降圧薬の種類の少なさ(2種類以下)が予測因子として報告されているが,内服の数だけでなくその内容も検討するとアルドステロン拮抗薬を用いた術前血圧コントロールの重要性が示唆された.
ISSN:2186-1889
2187-4700
DOI:10.11302/jsejje.26.257