農薬の植物による取り込みモデル

1.はじめに 農作物の安定供給の為に散布される農薬の環境中での挙動ならびにその残留量を明らかにすることは様々な毒性評価とともに農薬の安全性評価を行う上で非常に重要である. 農作物や土壌, 各種水系における農薬の残留量は実場面(圃場, 河川水など)から採取されたサンプルの残留分析により測定, 定量されているが, これらモニタリングには多大な時間, 費用, 労力を必要とするとともに, 得られた結果は散布形式(剤型, 散布量, 方式, 回数など)や自然要因(各種気象要因, 地形, 地質など)など様々な条件に依存しており, 潜在的にバラツキとなる要因を多大に含んでいる事から, その解釈には慎重を要する...

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Published inJournal of Pesticide Science Vol. 27; no. 3; pp. 279 - 286
Main Author 藤澤, 卓生
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本農薬学会 2002
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ISSN1348-589X
1349-0923
DOI10.1584/jpestics.27.279

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Summary:1.はじめに 農作物の安定供給の為に散布される農薬の環境中での挙動ならびにその残留量を明らかにすることは様々な毒性評価とともに農薬の安全性評価を行う上で非常に重要である. 農作物や土壌, 各種水系における農薬の残留量は実場面(圃場, 河川水など)から採取されたサンプルの残留分析により測定, 定量されているが, これらモニタリングには多大な時間, 費用, 労力を必要とするとともに, 得られた結果は散布形式(剤型, 散布量, 方式, 回数など)や自然要因(各種気象要因, 地形, 地質など)など様々な条件に依存しており, 潜在的にバラツキとなる要因を多大に含んでいる事から, その解釈には慎重を要する. このような実測値データでの問題点に対応するため, 欧米では農薬登録の際の環境影響評価についてシミュレーションモデルが活用されており, 特に湖沼や河川を含む表層水, 地下水汚染性評価が各種の既存剤ならびに新規剤について実施されている. 本格的なシミュレーションモデルの開発は主として米国EPA(Environmental Protection Agency)にて始められた.
ISSN:1348-589X
1349-0923
DOI:10.1584/jpestics.27.279