薬学部教育におけるコミュニケーション教育の実施状況に関する全国調査 —第2報 実務実習事前教育におけるコミュニケーション教育の現状

2002年8月に, 日本薬学会から「薬学教育モデルカリキュラム」が示され, 薬学教育の柱の1つとして“ヒューマニズム”(人間理解)が挙げられた. 1)また, 薬学導入教育として, “コミュニケーション”の重要性も示された. さらに2006年には薬学教育6年制が現実のものとなり, 今年から医, 歯学教育の実務実習前に導入される予定の客観的臨床能力試験(OSCE)の薬学教育への導入も検討され始めている. 2)このように薬学教育が急激に医療人の養成にシフトしている中で, 大学教育現場ではモデルカリキュラムで示された教育をいかに系統立てて実践していくかが次の課題となっている. 3)北米などの薬学部では...

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Published inYAKUGAKU ZASSHI Vol. 124; no. 12; pp. 997 - 1002
Main Authors 井手口, 直子, 小川, 芳子, 飯岡, 緒美, 吉田, 賢士, 有田, 悦子, 細谷, 未佳, 後藤, 恵子, 池谷, 博美
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本薬学会 01.12.2004
日本薬学会
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ISSN0031-6903
1347-5231
DOI10.1248/yakushi.124.997

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Summary:2002年8月に, 日本薬学会から「薬学教育モデルカリキュラム」が示され, 薬学教育の柱の1つとして“ヒューマニズム”(人間理解)が挙げられた. 1)また, 薬学導入教育として, “コミュニケーション”の重要性も示された. さらに2006年には薬学教育6年制が現実のものとなり, 今年から医, 歯学教育の実務実習前に導入される予定の客観的臨床能力試験(OSCE)の薬学教育への導入も検討され始めている. 2)このように薬学教育が急激に医療人の養成にシフトしている中で, 大学教育現場ではモデルカリキュラムで示された教育をいかに系統立てて実践していくかが次の課題となっている. 3)北米などの薬学部では, 入学時から段階的なコミュニケーション教育が実施され, 実務実習までの準備教育が系統立てて実施されているのに比べ, 4, 5)日本における従来型の薬学教育はこの分野での経験に乏しく, 現状ではこの分野の教育を担当する専門知識や技能を持った教員が少ないのも実情である. また, 薬学部入学時から実務実習事前教育までのカリキュラム構造についての研究もほとんどない.
ISSN:0031-6903
1347-5231
DOI:10.1248/yakushi.124.997