腰痛症に見られる良導絡チャートの観察

後藤は, 腰痛症の良導絡パターン認識を目的に, 筋筋膜性腰痛, 椎間関節性腰痛, 坐骨神経痛を伴う腰痛の3疾患に鑑別診断した腰痛患者の良導絡チャートの集積を全国規模で行っている. 当院も一開業鍼灸治療院の立場として, 上記3疾患に鑑別診断した腰痛症の症例各30例, 及びコントロール群30例の計120例の症例に関する良導絡チャートの集積結果を報告したが, 今回その集積結果に関し, 腰痛症の3疾患及びコントロール群について, 異常良導絡の出現傾向を観察したところ, 3疾患ともにF2(肝)良導絡に興奮が出現しやすく, F4(膀胱)良導絡及びF5(胆)良導絡に抑制が出現しやすい傾向が見られた. 中谷は...

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Published in日本良導絡自律神経学会雑誌 Vol. 50; no. 1; pp. 1 - 7
Main Authors 時田, 茂生, 竹之内, 三志
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本良導絡自律神経学会 2004
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ISSN0913-0977
1884-7595
DOI10.17119/ryodoraku1986.50.1

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Summary:後藤は, 腰痛症の良導絡パターン認識を目的に, 筋筋膜性腰痛, 椎間関節性腰痛, 坐骨神経痛を伴う腰痛の3疾患に鑑別診断した腰痛患者の良導絡チャートの集積を全国規模で行っている. 当院も一開業鍼灸治療院の立場として, 上記3疾患に鑑別診断した腰痛症の症例各30例, 及びコントロール群30例の計120例の症例に関する良導絡チャートの集積結果を報告したが, 今回その集積結果に関し, 腰痛症の3疾患及びコントロール群について, 異常良導絡の出現傾向を観察したところ, 3疾患ともにF2(肝)良導絡に興奮が出現しやすく, F4(膀胱)良導絡及びF5(胆)良導絡に抑制が出現しやすい傾向が見られた. 中谷は, 中谷医院に来院した1000例の患者の良導絡チャートのデータを統計学的に整理することによって, 良導絡の興抑と症状との関連性を検討し, 良導絡症候群表を作成した. (表1) これは, 異常良導絡と症状との関係を確定するものではなく, 確率的な傾向を示したものであるが, 実際の臨床に際してはこのデータに基づいて, 異常良導絡から主訴やその他の愁訴を推測する, 或いは体質的, 将来的に出現する可能性のある症状を推測するといった, 不問診や長期的な治療方針の策定には極めて有効なものである.
ISSN:0913-0977
1884-7595
DOI:10.17119/ryodoraku1986.50.1