都市部における介護予防活動参加者間のソーシャルサポート授受バランス類型と近隣でのつきあいとの関連

「I. 緒言」わが国の高齢化率は27.3%に達し, 超高齢社会を迎えている. 長い高齢期をいかに健康で過ごすかといった健康寿命の延伸は, 高齢者本人やその家族自身の生活の質の向上だけでなく, 医療費や介護給付費の削減など社会全体の重要な課題である. 健康寿命の延伸のための重要な方策の1つとして, 介護予防がある. その中でも介護予防活動を通じて社会への参加と住民同士の互助を促し, 住民一人ひとりの主体的な健康づくりを支援する活動が広がっている. 住民同士の互助とは, 地域包括ケア研究会報告書において「インフォーマルな相互扶助」と定義され, 地域包括ケアにおいて注目されている. 住民同士の互助を...

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Published in日本健康学会誌 Vol. 86; no. 6; pp. 262 - 272
Main Authors 山埜, ふみ恵, 草野, 恵美子, 吉田, 久美子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本健康学会 30.11.2020
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Summary:「I. 緒言」わが国の高齢化率は27.3%に達し, 超高齢社会を迎えている. 長い高齢期をいかに健康で過ごすかといった健康寿命の延伸は, 高齢者本人やその家族自身の生活の質の向上だけでなく, 医療費や介護給付費の削減など社会全体の重要な課題である. 健康寿命の延伸のための重要な方策の1つとして, 介護予防がある. その中でも介護予防活動を通じて社会への参加と住民同士の互助を促し, 住民一人ひとりの主体的な健康づくりを支援する活動が広がっている. 住民同士の互助とは, 地域包括ケア研究会報告書において「インフォーマルな相互扶助」と定義され, 地域包括ケアにおいて注目されている. 住民同士の互助を検討する上で, 重要な概念の1つにソーシャルサポートがある. ソーシャルサポートとは他者との間で取り交わされるもろもろの支援のことをいい, このようなサポートを受領および提供するソーシャルサポート授受の概念は地域包括ケアシステムにおける住民同士の互助を検討する上で重要である.
ISSN:2432-6712
2432-6720
DOI:10.3861/kenko.86.6_262