A県における特定健康診査結果の経年推移の実態把握と保健指導の効果の推定

「I 緒言」平成20年度より, メタボリックシンドロームに着目した特定健康診査(特定健診)が医療保険者に義務付けられた. 健康教育の有効性に関する報告では, 2型糖尿病の危険因子を持つ日本人勤労者男性173人を対象とした食事指導を行う無作為化比較試験において, 従来の集団指導と比較して, 個別指導群で血糖値の減少を認めた結果が示された. また境界型血糖値の患者233人を対象とした無作為化比較試験では, 従来型の検査結果の説明と情報提供による指導群と比較して, 数回の面接を行う短期個別指導群で, 生活習慣と血糖値の改善を認めた結果が示された. 健康教育に関する有効性は, 既に各分野の研究により検...

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Published in日本健康学会誌 Vol. 85; no. 6; pp. 216 - 230
Main Authors 木下, 節子, 萱場, 一則, 延原, 弘章
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本健康学会 30.11.2019
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Summary:「I 緒言」平成20年度より, メタボリックシンドロームに着目した特定健康診査(特定健診)が医療保険者に義務付けられた. 健康教育の有効性に関する報告では, 2型糖尿病の危険因子を持つ日本人勤労者男性173人を対象とした食事指導を行う無作為化比較試験において, 従来の集団指導と比較して, 個別指導群で血糖値の減少を認めた結果が示された. また境界型血糖値の患者233人を対象とした無作為化比較試験では, 従来型の検査結果の説明と情報提供による指導群と比較して, 数回の面接を行う短期個別指導群で, 生活習慣と血糖値の改善を認めた結果が示された. 健康教育に関する有効性は, 既に各分野の研究により検証され, それらを取り込んで特定健診・特定保健指導が策定された. 特定健診が始まった平成20年度以降, 日本においても特定保健指導の有効性について研究が行われたが, その多くは, 対象集団に詳細な条件設定を行った, 比較的小規模集団での報告となっている.
ISSN:2432-6712
2432-6720
DOI:10.3861/kenko.85.6_216