近隣地域中核病院との合同パス大会を通じての地域医療連携の構築
地域中核病院同士での合同クリニカルパス(以下、パス)大会を報告する。パス大会は医療工程を多職種によって議論検討する会である。当初はパスの啓蒙と作成の動機づけが多くみられたが、その後パスの浸透につれ他の委員会活動を巻き込んだ形や、治療過程の問題点を議論する形に移行し病院機能や医療の質といったより幅広い視点からの開催目的に変遷してきている。手法としてはボトムアップであるが、病院中枢部が会に参加していることが多く、議論された問題がトップダウンで改善に向かうことが多い。合同パス大会になると職員への動機づけ、地域への医療貢献、地域医療標準化などに効果があるが担当者への負担は増大する。医療工程の改善という...
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Published in | 日本クリニカルパス学会誌 Vol. 14; no. 2; pp. 131 - 135 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本クリニカルパス学会
22.06.2012
日本クリニカルパス学会 |
Subjects | |
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ISSN | 2187-6592 2436-1046 |
DOI | 10.50842/jjscp.14.2_131 |
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Summary: | 地域中核病院同士での合同クリニカルパス(以下、パス)大会を報告する。パス大会は医療工程を多職種によって議論検討する会である。当初はパスの啓蒙と作成の動機づけが多くみられたが、その後パスの浸透につれ他の委員会活動を巻き込んだ形や、治療過程の問題点を議論する形に移行し病院機能や医療の質といったより幅広い視点からの開催目的に変遷してきている。手法としてはボトムアップであるが、病院中枢部が会に参加していることが多く、議論された問題がトップダウンで改善に向かうことが多い。合同パス大会になると職員への動機づけ、地域への医療貢献、地域医療標準化などに効果があるが担当者への負担は増大する。医療工程の改善という目的からは多施設での合同より2施設合同の方がより詳細な検討が可能である。普段パスの陰に隠れている院内システムの暗黙知を「見える化」することに有用である。さらには、単独施設でのパス大会では見えなかった問題点・改善点が明らかとなる。病院のおかれている医療圏が連携の形に影響を及ぼしており、地域中核病院を頂点としたグループを作りそれぞれのグループ間で競合、切磋琢磨しようとする意識が強すぎると中核病院同士の連携が困難になってしまう。柔軟な縦の連携、横の連携の構築が求められる。 |
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ISSN: | 2187-6592 2436-1046 |
DOI: | 10.50842/jjscp.14.2_131 |