次世代シーケンシング解析を併用したNested Multiplex PCR法による、らい菌の薬剤耐性および型別の新規同時同定法
「はじめに」らい菌(Mycobacterium leprae)は抗酸菌の一種で, ハンセン病の主な原因菌である. WHOの報告によると, 2021年のハンセン病新規患者登録数は約14万人と報告されたが, ハンセン病新規患者数は依然として多い. ハンセン病の病型には少菌型と多菌型があるが, 特に少菌型ハンセン病患者からのスメア検査ではらい菌はほとんど検出されず, DNA診断が困難である. 薬剤耐性診断は, ダプソン耐性を決定する遺伝子(folP1), リファンピシン耐性を決定する遺伝子(rpoB)やキノロン耐性を決定する遺伝子(gyrA)の薬剤耐性決定領域(Drug resistance det...
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Published in | 日本ハンセン病学会雑誌 Vol. 92; no. 2; pp. 47 - 52 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本ハンセン病学会
2023
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Subjects | |
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ISSN | 1342-3681 1884-314X |
DOI | 10.5025/hansen.92.47 |
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Summary: | 「はじめに」らい菌(Mycobacterium leprae)は抗酸菌の一種で, ハンセン病の主な原因菌である. WHOの報告によると, 2021年のハンセン病新規患者登録数は約14万人と報告されたが, ハンセン病新規患者数は依然として多い. ハンセン病の病型には少菌型と多菌型があるが, 特に少菌型ハンセン病患者からのスメア検査ではらい菌はほとんど検出されず, DNA診断が困難である. 薬剤耐性診断は, ダプソン耐性を決定する遺伝子(folP1), リファンピシン耐性を決定する遺伝子(rpoB)やキノロン耐性を決定する遺伝子(gyrA)の薬剤耐性決定領域(Drug resistance determining region, DRDR)における塩基配列の変異有無によって判定される. らい菌の遺伝子型別では, らい菌ゲノム上の一塩基多型(single-nucleotide polymorphism, SNP)を利用して, 4つの主要なSNPタイプと16のサブタイプに分類され, らい菌のゲノム解析結果から, SNP型別と分離地域の相関関係が得られることが報告されている. |
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ISSN: | 1342-3681 1884-314X |
DOI: | 10.5025/hansen.92.47 |