骨盤臓器脱に対する腹腔鏡下手術〜腹腔鏡下仙骨膣固定術を中心に

膣からの骨盤内臓器の下垂を呈する骨盤臓器脱は, 中高齢者の好発する疾患の一つである. 骨盤臓器脱患者は臓器下垂のみならず, 頻尿, 尿意切迫感, 尿失禁および排尿困難などの下部尿路症状を呈することも多く, 泌尿器科医にとっても重要な疾患である. 近年, 腹腔鏡を用いた骨盤臓器脱手術である腹腔鏡下仙骨腟固定術 (Laparoscopic sacrocolpopexy : LSC) が2014年から保険収載され, 徐々に普及しつつある. この術式は経膣メッシュ手術で行われるようなブラインド操作がなく, 手技を可視化することが可能である. しかしながらLSCは比較的高度な技術を要する術式であり, 安...

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Published inJapanese Journal of Endourology Vol. 31; no. 1; pp. 56 - 65
Main Author 野村, 昌良
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本泌尿器内視鏡学会 01.04.2018
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ISSN2186-1889
2187-4700
DOI10.11302/jsejje.31.56

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Summary:膣からの骨盤内臓器の下垂を呈する骨盤臓器脱は, 中高齢者の好発する疾患の一つである. 骨盤臓器脱患者は臓器下垂のみならず, 頻尿, 尿意切迫感, 尿失禁および排尿困難などの下部尿路症状を呈することも多く, 泌尿器科医にとっても重要な疾患である. 近年, 腹腔鏡を用いた骨盤臓器脱手術である腹腔鏡下仙骨腟固定術 (Laparoscopic sacrocolpopexy : LSC) が2014年から保険収載され, 徐々に普及しつつある. この術式は経膣メッシュ手術で行われるようなブラインド操作がなく, 手技を可視化することが可能である. しかしながらLSCは比較的高度な技術を要する術式であり, 安全に行うためにはその解剖学的な知識および手順の理解が必要である. 本稿ではLSCの適応, 手術手技およ治療成績について述べる.
ISSN:2186-1889
2187-4700
DOI:10.11302/jsejje.31.56