小型三軸力覚計を用いた頸椎回旋運動に対する徒手療法の解析

〔目的〕Mulliganコンセプトに基づく自動運動に徒手的な操作を加えた持続的椎間関節自然滑走法(以下SNAGS)による頸椎回旋運動と徒手操作の力学的解析と回旋距離を比較した.〔対象〕頸椎に既往のない健常成人26名(男性24名,女性2名,平均年齢26歳,23歳~35歳)を対象とした.〔方法〕頸椎の回旋距離をテープメジャー測定法にて比較した.対象を頸椎回旋に伴う椎間関節の頭側への滑りを促す操作による介入SNAGS群とSNAGS群と逆方向の尾側方向への操作(Anti-SNAGS)群の2群に分けて,その介入前後で比べた.〔結果〕SNAGS群には介入によって有意な回旋距離の短縮がみられた.しかし,An...

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Published in理学療法科学 Vol. 26; no. 4; pp. 507 - 510
Main Authors 芳川, 晃久, 小形, 洋悦, 楊箸, 隆哉, 藤原, 孝之, 阿部, 康二
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 理学療法科学学会 2011
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Summary:〔目的〕Mulliganコンセプトに基づく自動運動に徒手的な操作を加えた持続的椎間関節自然滑走法(以下SNAGS)による頸椎回旋運動と徒手操作の力学的解析と回旋距離を比較した.〔対象〕頸椎に既往のない健常成人26名(男性24名,女性2名,平均年齢26歳,23歳~35歳)を対象とした.〔方法〕頸椎の回旋距離をテープメジャー測定法にて比較した.対象を頸椎回旋に伴う椎間関節の頭側への滑りを促す操作による介入SNAGS群とSNAGS群と逆方向の尾側方向への操作(Anti-SNAGS)群の2群に分けて,その介入前後で比べた.〔結果〕SNAGS群には介入によって有意な回旋距離の短縮がみられた.しかし,Anti-SNAGS群では有意な変化は認められなかった.徒手操作の合成力はSNAGS群とAnti-SNAGS群で差がみられなかったが,頭側‐尾側方向の力(Fy: 頭側(-),尾側(+))はSNAGS群でFy: -5.3±2.4(N),Anti-SNAGS群はFy: 7.0±2.2(N)であり逆方向の徒手操作が行われていた.〔結語〕Mulliganコンセプトにおける関節可動域の拡大には関節構造とその運動学的な理解に基づく操作の重要性が示唆された.
ISSN:1341-1667
2434-2807
DOI:10.1589/rika.26.507