九州の動物展示施設のクマから検出された鉤虫と旋毛虫

九州の動物展示施設で飼育されていたツキノワグマ小腸からマレー鉤虫Ancylostoma malayanumが検出された。これまでの国内でのクマ科のマレー鉤虫感染報告は動物園のホッキョクグマや北海道の野生のヒグマのみであり,動物展示施設のツキノワグマからは初めての報告である。また,同施設の過去の糞便検査の結果から同施設で飼育されているツキノワグマ,ヒマラヤグマ,ヒグマ,アメリカクロクマに種は不明ながら鉤虫が寄生していることが示された。アメリカクロクマでは全身の筋肉より多数の被嚢した旋毛虫幼虫が検出された。旋毛虫についても国内の動物展示施設で飼育されていたアメリカクロクマからの報告は初めてとなる。...

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Published in日本野生動物医学会誌 Vol. 27; no. 2; pp. 131 - 137
Main Authors 竹内, 由佳, 松尾, 加代子, 常盤, 俊大, 高島, 康弘
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本野生動物医学会 01.09.2022
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ISSN1342-6133
2185-744X
DOI10.5686/jjzwm.27.131

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Summary:九州の動物展示施設で飼育されていたツキノワグマ小腸からマレー鉤虫Ancylostoma malayanumが検出された。これまでの国内でのクマ科のマレー鉤虫感染報告は動物園のホッキョクグマや北海道の野生のヒグマのみであり,動物展示施設のツキノワグマからは初めての報告である。また,同施設の過去の糞便検査の結果から同施設で飼育されているツキノワグマ,ヒマラヤグマ,ヒグマ,アメリカクロクマに種は不明ながら鉤虫が寄生していることが示された。アメリカクロクマでは全身の筋肉より多数の被嚢した旋毛虫幼虫が検出された。旋毛虫についても国内の動物展示施設で飼育されていたアメリカクロクマからの報告は初めてとなる。
ISSN:1342-6133
2185-744X
DOI:10.5686/jjzwm.27.131