高齢者施設における要介護高齢者の生活の質を食から支援する

「はじめに」我が国では, 急速に少子高齢化が進み, 総人口に占める65歳以上の高齢者の比率は近年23%を超え, 超高齢社会に突入しています. 社会の高齢化に対応し, 1997年の国会で制定された介護保険法に基づき, 介護保険が2000年4月から施行されました. 世界に類を見ない急速な高齢化の進展に伴い, 寝たきりや認知症などを要因とする要介護高齢者が増えてきています. 要介護高齢者の多くは慢性疾患を持ち, 体調の崩れなどが原因で食事量の低下, また, 運動量の低下から骨格筋の減少による転倒のリスクが増大し, 低栄養状態の危険性が増大します. また, 低栄養は免疫低下による感染や疾病の治癒遅延な...

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Published in日本クリニカルパス学会誌 Vol. 18; no. 3; pp. 254 - 258
Main Author 麻植, 有希子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本クリニカルパス学会 10.09.2016
日本クリニカルパス学会
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Summary:「はじめに」我が国では, 急速に少子高齢化が進み, 総人口に占める65歳以上の高齢者の比率は近年23%を超え, 超高齢社会に突入しています. 社会の高齢化に対応し, 1997年の国会で制定された介護保険法に基づき, 介護保険が2000年4月から施行されました. 世界に類を見ない急速な高齢化の進展に伴い, 寝たきりや認知症などを要因とする要介護高齢者が増えてきています. 要介護高齢者の多くは慢性疾患を持ち, 体調の崩れなどが原因で食事量の低下, また, 運動量の低下から骨格筋の減少による転倒のリスクが増大し, 低栄養状態の危険性が増大します. また, 低栄養は免疫低下による感染や疾病の治癒遅延など高齢者の予後を悪化させることが知られています. 高齢者の認知症は病気の進行に伴い食欲不振や過食症状が発現し, 認知症の周辺症状と低栄養状態の関係が指摘されています. 「要介護高齢者への栄養ケア・マネジメントシステムパス導入」当社は介護付有料老人ホーム, 住宅型老人ホーム, デイサービスを展開しており, 2015年11月時点で従業員数7,248名, 入居者数6,420名, 給食運営は直営で, うち栄養士・管理栄養士は約85名在籍しており, 楽しみを重視した食のイベントにも力を入れている会社です.
ISSN:2187-6592
2436-1046
DOI:10.50842/jjscp.18.3_254