大学男子サッカーチームの2 年間の傷害調査

大学男子サッカー部の傷害を調査し,得られたデータを検討する事で対象チームの傷害の発生状況を客観的に捉える事を目的とする. 対象は関東大学サッカー1 部の所属チームで2018-2019 の2 年を国際サッカー連盟により推奨されている方法で調査した.項目は,①発生件数,②発生率,③Injury burden,④発生部位で発生部位のRisk matrix も算出した. 主要な結果として傷害発生率は3.45 件[2.88-4.02]/1000 player hours(以下[]内は95%CI)で,傷害の重みを示すInjury burden は79.85 日[78.28-83.58]/1000ph であ...

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Published in日本臨床スポーツ医学会誌 Vol. 31; no. 2; pp. 315 - 323
Main Authors 泉, 重樹, 瀬戸, 宏明, 平野, 祐貴
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本臨床スポーツ医学会 30.04.2023
日本臨床スポーツ医学会
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ISSN1346-4159
2758-3767
DOI10.57474/jjcsm.31.2_315

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Summary:大学男子サッカー部の傷害を調査し,得られたデータを検討する事で対象チームの傷害の発生状況を客観的に捉える事を目的とする. 対象は関東大学サッカー1 部の所属チームで2018-2019 の2 年を国際サッカー連盟により推奨されている方法で調査した.項目は,①発生件数,②発生率,③Injury burden,④発生部位で発生部位のRisk matrix も算出した. 主要な結果として傷害発生率は3.45 件[2.88-4.02]/1000 player hours(以下[]内は95%CI)で,傷害の重みを示すInjury burden は79.85 日[78.28-83.58]/1000ph であった.また受傷部位では足関節の傷害が42 件で最も多く,Risk matrix により足関節の予防の優先順位が高い事が示された. 対象チームの傷害発生率は本邦や欧州等のプロカテゴリーに比べて低いがInjury burden は欧州のチームと同等であった.これは大学男子の年間試合数が少ない事や所属人数が多いなどの要因から発生率は低くなるが,利用可能な医療資源や資金がプロチームに比べて少ないため予防や治療の質が低下しやすく各傷害の重症度が高まりやすい事が考えられる.本研究においては足関節が最も多く,この結果は本邦の大学サッカーにおけるいくつかの先行研究も同様であり,大学サッカー共通の問題の可能性がある.
ISSN:1346-4159
2758-3767
DOI:10.57474/jjcsm.31.2_315