脊柱後弯を呈する高齢者の歩行時の運動学・運動力学的分析

〔目的〕本研究の目的は,脊柱後弯を呈する高齢者の歩行の特徴を明らかにすることである。〔対象〕健常高齢者12名と脊柱後弯を呈する高齢者12名の24名とした。〔方法〕脊柱後弯の定量的指標として円背指数を用いて2群(健常群,脊柱後弯群)に分けた。運動学,運動力学的歩行計測のために,赤外線カメラ12台を含む三次元動作分析装置と床反力計6枚を用いた。計測条件は,自由速度とし,歩行動作を3回計測できるまで計測を繰り返した。〔結果〕脊柱後弯を呈する高齢者は立脚後期の股関節外転モーメントピーク値が減少した。また骨盤後傾と回旋角度が増大した。〔結語〕脊柱後弯を呈する高齢者の姿勢のアライメント変化は,前額面上の力...

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Published in理学療法科学 Vol. 25; no. 4; pp. 589 - 594
Main Authors 黒川, 貴志, 勝平, 純司, 丸山, 仁司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 理学療法科学学会 2010
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Summary:〔目的〕本研究の目的は,脊柱後弯を呈する高齢者の歩行の特徴を明らかにすることである。〔対象〕健常高齢者12名と脊柱後弯を呈する高齢者12名の24名とした。〔方法〕脊柱後弯の定量的指標として円背指数を用いて2群(健常群,脊柱後弯群)に分けた。運動学,運動力学的歩行計測のために,赤外線カメラ12台を含む三次元動作分析装置と床反力計6枚を用いた。計測条件は,自由速度とし,歩行動作を3回計測できるまで計測を繰り返した。〔結果〕脊柱後弯を呈する高齢者は立脚後期の股関節外転モーメントピーク値が減少した。また骨盤後傾と回旋角度が増大した。〔結語〕脊柱後弯を呈する高齢者の姿勢のアライメント変化は,前額面上の力学的変化を及ぼしていることが明らかになった。
ISSN:1341-1667
2434-2807
DOI:10.1589/rika.25.589