当科で行っている腹腔鏡下仙骨腟固定術
腹式仙骨腟固定術(abdominal sacrocolpopexy:ASC)は古くより腟断端脱修復手術におけるGold Standardであるが,その本質は,腟断端すなわちDeLancey Level 1の修復にある.近年普及しつつある腹腔鏡下仙骨腟固定術(laparoscopic sacrocolpopexy:LSC)では,Level 1を修復するメッシュを利用して,膀胱瘤や直腸瘤すなわちLevel 2の修復も同時に行うことが多い.一方当科では,膀胱瘤の修復にはメッシュを使用しているが,直腸瘤特に低位直腸瘤や会陰体損傷の修復には,native tissue repair(NTR)を行う方針と...
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Published in | Japanese Journal of Endourology Vol. 30; no. 1; pp. 48 - 52 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本泌尿器内視鏡学会
01.04.2017
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Subjects | |
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ISSN | 2186-1889 2187-4700 |
DOI | 10.11302/jsejje.30.48 |
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Summary: | 腹式仙骨腟固定術(abdominal sacrocolpopexy:ASC)は古くより腟断端脱修復手術におけるGold Standardであるが,その本質は,腟断端すなわちDeLancey Level 1の修復にある.近年普及しつつある腹腔鏡下仙骨腟固定術(laparoscopic sacrocolpopexy:LSC)では,Level 1を修復するメッシュを利用して,膀胱瘤や直腸瘤すなわちLevel 2の修復も同時に行うことが多い.一方当科では,膀胱瘤の修復にはメッシュを使用しているが,直腸瘤特に低位直腸瘤や会陰体損傷の修復には,native tissue repair(NTR)を行う方針としている.その理由は,深刻な事態に陥る可能性が高い直腸へのメッシュ合併症を回避するためだけでなく,将来手術を要する直腸疾患が発症したとしても,癒着による手術困難を回避できるからである.今回,当科で行っているLSCの特徴や術式の詳細について,特に腟壁の剥離操作およびメッシュ固定を中心に解説する. |
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ISSN: | 2186-1889 2187-4700 |
DOI: | 10.11302/jsejje.30.48 |