Everolimusとステロイドで腎機能を維持できている高齢腎移植レシピエントの1例

「I. 緒言」透析療法導入患者の高齢化に伴い, 腎移植患者も高齢化している. 腎代替療法の一つである腎移植は, 末期腎不全患者に対して生命予後のみならずQOLも改善する. 移植成績も年々向上してきており, この良好な成績を背景に, 高齢者の腎不全患者に対しても積極的に腎移植が行われるようになってきている. しかし, 高齢レシピエントにおいては, 加齢に伴う身体機能の変化やドナーの問題, 感染症あるいは悪性疾患の合併を常に念頭に置いて対応する必要がある. Everolimus(EVR)は, 悪性腫瘍に対する抗腫瘍効果やサイトメガロウイルスやEBウイルスなどの感染症に対する抗ウイルス作用などが期待...

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Published inJapanese Journal of Transplantation Vol. 51; no. 6; pp. 486 - 491
Main Authors 石川, 暢夫, 佐久間, 康成, 清水, 俊洋, 黒澤, 明, 南木, 浩二, 八木澤, 隆, 木村, 貴明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本移植学会 2016
日本移植学会
The Japan Society for Transplantation
Subjects
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ISSN0578-7947
2188-0034
DOI10.11386/jst.51.6_486

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Summary:「I. 緒言」透析療法導入患者の高齢化に伴い, 腎移植患者も高齢化している. 腎代替療法の一つである腎移植は, 末期腎不全患者に対して生命予後のみならずQOLも改善する. 移植成績も年々向上してきており, この良好な成績を背景に, 高齢者の腎不全患者に対しても積極的に腎移植が行われるようになってきている. しかし, 高齢レシピエントにおいては, 加齢に伴う身体機能の変化やドナーの問題, 感染症あるいは悪性疾患の合併を常に念頭に置いて対応する必要がある. Everolimus(EVR)は, 悪性腫瘍に対する抗腫瘍効果やサイトメガロウイルスやEBウイルスなどの感染症に対する抗ウイルス作用などが期待されている最近臨床導入された免疫抑制薬である. カルシニューリン阻害薬(calcineurin inhibitor:CNI)と作用機序が異なり, EVR投与によってCNI減量が可能となり, 腎毒性が軽減されることも期待されている.
ISSN:0578-7947
2188-0034
DOI:10.11386/jst.51.6_486