健常な成人における歩行中の掛け声と歩行リズムの関係

「1. 諸言」歩行はヒトの最も基本的な活動のひとつであり, その能力は加齢に伴い変化する. 加齢に伴い生じる歩行の特徴的な変化として, 歩行速度の低下, 歩幅の減少, 関節可動域の減少などが挙げられている. これらの加齢に伴う歩行の変化は, 筋力, 筋パワー, 敏捷性, 平衡性, 柔軟性の低下が影響している. 代表的な歩行能力指標である歩行速度は死亡率とも強く関連することが明らかになっており, サルコペニアの基準としても広く用いられている. 超高齢社会を迎える今日, 高齢者の移動能力を維持することは健康寿命延伸の観点からも重要な課題である. 一方, 加齢に伴う歩行の変化は, 前述した運動機能の...

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Published in日本生理人類学会誌 Vol. 21; no. 2; pp. 51 - 58
Main Authors 渡邊, 裕也, 續田, 尚美, 横山, 慶一, 木村, みさか, 岡山, 寧子, 吉中, 康子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本生理人類学会 2016
Japan Society of Physiological Anthropology
Subjects
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ISSN1342-3215
2432-0986
DOI10.20718/jjpa.21.2_51

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Summary:「1. 諸言」歩行はヒトの最も基本的な活動のひとつであり, その能力は加齢に伴い変化する. 加齢に伴い生じる歩行の特徴的な変化として, 歩行速度の低下, 歩幅の減少, 関節可動域の減少などが挙げられている. これらの加齢に伴う歩行の変化は, 筋力, 筋パワー, 敏捷性, 平衡性, 柔軟性の低下が影響している. 代表的な歩行能力指標である歩行速度は死亡率とも強く関連することが明らかになっており, サルコペニアの基準としても広く用いられている. 超高齢社会を迎える今日, 高齢者の移動能力を維持することは健康寿命延伸の観点からも重要な課題である. 一方, 加齢に伴う歩行の変化は, 前述した運動機能の低下に加えて, 中枢神経系の機能低下の影響も受ける. 歩行に関わる中枢神経系の機能として中枢パターン発生器(Central Pattern Generator:CPG)がある.
ISSN:1342-3215
2432-0986
DOI:10.20718/jjpa.21.2_51