診療科横断的な選択式オプションパスによる術前絶飲食の標準化
「背景」クリニカルパス(以下, パス)は, 診療計画の標準化により医療の質を改善するための基本となるツールである. 本邦でのパスの普及過程において, 治療の標準化を推進しつつ, もう一方で患者の個別性に配慮して画一化を避ける試みは様々に行われており, 治療開始後の患者の状態に応じて条件分岐するパスの報告は複数なされている. 今回, ERASプロトコールに基づいた術前絶飲食の院内標準化を進めるにあたり, 術前絶飲食の指示を診療科横断的な選択式オプションパスとして各診療科のパスから切り離し, 既存の電子パスシステム上で標準化と患者の個別性とを両立させることができたので報告する. 「従来パスの課題」...
Saved in:
Published in | 日本クリニカルパス学会誌 Vol. 20; no. 2; pp. 158 - 162 |
---|---|
Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本クリニカルパス学会
20.06.2018
日本クリニカルパス学会 |
Online Access | Get full text |
ISSN | 2187-6592 2436-1046 |
DOI | 10.50842/jjscp.20.2_158 |
Cover
Summary: | 「背景」クリニカルパス(以下, パス)は, 診療計画の標準化により医療の質を改善するための基本となるツールである. 本邦でのパスの普及過程において, 治療の標準化を推進しつつ, もう一方で患者の個別性に配慮して画一化を避ける試みは様々に行われており, 治療開始後の患者の状態に応じて条件分岐するパスの報告は複数なされている. 今回, ERASプロトコールに基づいた術前絶飲食の院内標準化を進めるにあたり, 術前絶飲食の指示を診療科横断的な選択式オプションパスとして各診療科のパスから切り離し, 既存の電子パスシステム上で標準化と患者の個別性とを両立させることができたので報告する. 「従来パスの課題」従来, 入院から退院まで一貫したパスを手術診療科が術式ごとに作成していた. 院内標準化以前は絶飲食の指示も各手術診療科の判断に委ねられており, その開始時刻は診療科によって前日21時・前日22時・0時・6時と統一されていなかった. |
---|---|
ISSN: | 2187-6592 2436-1046 |
DOI: | 10.50842/jjscp.20.2_158 |