60歳以上の脳性まひ者が身体の変化に自覚的に対峙し, 環境の変化を受け入れる生活の変容プロセス
本研究は, 60歳以上の脳性まひ者が身体の変化に自覚的に対峙し,環境の変化を受け入れる生活の変容プロセスについて明らかにすることを目的とした。60歳代から80歳代の脳性まひ者12名を対象に個別に半構造化面接を行い,修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチ(M-GTA)により分析を実施した。その結果, 4つのカテゴリーと4つのサブカテゴリー,そして15の概念が生成され, 脳性まひ者が身体の変化に自覚的に対峙しながら, 専門家の介入によりリハビリやマッサージなどのケアを行うことや生活を支えてくれる家族や介助者の支援を受けながら,環境の変化を受け入れる生活の変容プロセスであった。しかし, 自分自身...
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Published in | 高齢者のケアと行動科学 Vol. 27; pp. 50 - 65 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本老年行動科学会
2022
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Subjects | |
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ISSN | 1880-3474 2434-0553 |
DOI | 10.24777/jsbse.27.0_50 |
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Summary: | 本研究は, 60歳以上の脳性まひ者が身体の変化に自覚的に対峙し,環境の変化を受け入れる生活の変容プロセスについて明らかにすることを目的とした。60歳代から80歳代の脳性まひ者12名を対象に個別に半構造化面接を行い,修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチ(M-GTA)により分析を実施した。その結果, 4つのカテゴリーと4つのサブカテゴリー,そして15の概念が生成され, 脳性まひ者が身体の変化に自覚的に対峙しながら, 専門家の介入によりリハビリやマッサージなどのケアを行うことや生活を支えてくれる家族や介助者の支援を受けながら,環境の変化を受け入れる生活の変容プロセスであった。しかし, 自分自身の身体や二次障害の状態,さらには加齢とともに変化していく家族の高齢化など, なかなか厳しい生活の変容がある。そのため自分の身体や生活の変化に折り合いをつけながら, 環境の変化を受け入れる生活であった。 |
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ISSN: | 1880-3474 2434-0553 |
DOI: | 10.24777/jsbse.27.0_50 |