改良した立木曲げ試験によって測定した造林木の樹幹ヤング率の検証

立木のヤング率を測定する非破壊試験の一つとして立木曲げ試験法がある。その測定精度の向上を目指して,現場で荷重変位関係を表示し直線域の存在を確認して樹幹ヤング率を計算するように測定方法を改良した。この改良によって風や隣接木との接触などの影響を容易に排除できることが確かめられた。また,トドマツ,カラマツ,グイマツ雑種F1 の3樹種について,樹幹ヤング率を応力波伝播速度試験や丸太の縦振動試験の結果と比較して,その実用性を検討した。その結果,樹幹ヤング率は供試木を伐採して得た丸太の動的ヤング率との相関が高く,実用的な材質指標として使えると考えられた。縦振動試験によって求めた丸太の動的ヤング率は樹幹ヤン...

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Published in木材学会誌 Vol. 64; no. 3; pp. 115 - 121
Main Authors 日置, 絵里香, 小泉, 章夫, 佐々木, 義久, 鳥田, 宏行
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本木材学会 25.05.2018
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ISSN0021-4795
1880-7577
DOI10.2488/jwrs.64.115

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Summary:立木のヤング率を測定する非破壊試験の一つとして立木曲げ試験法がある。その測定精度の向上を目指して,現場で荷重変位関係を表示し直線域の存在を確認して樹幹ヤング率を計算するように測定方法を改良した。この改良によって風や隣接木との接触などの影響を容易に排除できることが確かめられた。また,トドマツ,カラマツ,グイマツ雑種F1 の3樹種について,樹幹ヤング率を応力波伝播速度試験や丸太の縦振動試験の結果と比較して,その実用性を検討した。その結果,樹幹ヤング率は供試木を伐採して得た丸太の動的ヤング率との相関が高く,実用的な材質指標として使えると考えられた。縦振動試験によって求めた丸太の動的ヤング率は樹幹ヤング率より30%程度,小さな値となった。その理由の一つとして,樹幹ヤング率では外縁部に形成された成熟材部の高いヤング率が影響して縦振動試験によるヤング率より大きくなったことが考えられた。
ISSN:0021-4795
1880-7577
DOI:10.2488/jwrs.64.115