全国調査によるマムシ咬傷の検討

マムシ咬傷は一般に広く知られているが,全国での発生件数やその治療法は今なお不明確である。目的:本邦のマムシ咬傷の治療法を含む現況を検討する。方法:全国の二次・三次救急病院9,433施設に調査票を郵送し,2007年4月から10月までのマムシ咬傷症例について,発生状況,治療内容,転帰などを調査した。回答率47.2% 975症例のうち,詳細な回答が得られた178症例(18.1%)を分析対象とした。結果・考察:受傷時に応急処置をして,できるだけ早く受診することがすすめられた。治療法は施設によってさまざまであるが,セファランチン®と抗マムシ血清の投与の有無で咬傷による腫脹,腫脹のピークに至る日数,入院日...

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Published in日本臨床救急医学会雑誌 Vol. 17; no. 6; pp. 753 - 760
Main Authors 有吉, 孝一, 瀧, 健治, 中嶋, 一寿, 堺, 淳, 石川, 浩史, 遠藤, 容子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本臨床救急医学会 2014
日本臨床救急医学会
Subjects
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ISSN1345-0581
2187-9001
DOI10.11240/jsem.17.753

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Summary:マムシ咬傷は一般に広く知られているが,全国での発生件数やその治療法は今なお不明確である。目的:本邦のマムシ咬傷の治療法を含む現況を検討する。方法:全国の二次・三次救急病院9,433施設に調査票を郵送し,2007年4月から10月までのマムシ咬傷症例について,発生状況,治療内容,転帰などを調査した。回答率47.2% 975症例のうち,詳細な回答が得られた178症例(18.1%)を分析対象とした。結果・考察:受傷時に応急処置をして,できるだけ早く受診することがすすめられた。治療法は施設によってさまざまであるが,セファランチン®と抗マムシ血清の投与の有無で咬傷による腫脹,腫脹のピークに至る日数,入院日数に差はなかった。しかし,受傷時の安静の必要性はなく,むしろ応急処置や初期治療の必要性が明らかとなった。結語:全国調査でマムシ咬傷の治療法に再考が必要と示唆された。
ISSN:1345-0581
2187-9001
DOI:10.11240/jsem.17.753