網膜色素変性患者の両眼視機能について

目的:網膜色素変性症患者の日常生活における両眼視の限界点について検討した。 方法:国立身体障害者リハビリテーションセンターを平成14年から平成16年までに受診し網膜色素変性症患者23名に対し、近方での両眼視機能検査としてベレンス、 Titmus Stereo Test,遠方での眼位検査として大型弱視鏡検査をおこなった。 結果:網膜色素変性症で、視力LogMAR値0.1未満(小数視力0.8以上)の患者の両眼視機能は良好であった。LogMAR値が0.3以上(小数視力0.6未満)の場合、近方視検査(ベレンス、T. S. T検査)で単眼視となっており、大型弱視鏡で精査すると半数以上の患者が上下斜視を有...

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Published in日本視能訓練士協会誌 Vol. 35; pp. 175 - 179
Main Authors 林, 弘美, 小寺, 久子, 三輪, まり枝, 中西, 勉, 石田, みさ子, 簗島, 謙次
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本視能訓練士協会 31.08.2006
日本視能訓練士協会
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Summary:目的:網膜色素変性症患者の日常生活における両眼視の限界点について検討した。 方法:国立身体障害者リハビリテーションセンターを平成14年から平成16年までに受診し網膜色素変性症患者23名に対し、近方での両眼視機能検査としてベレンス、 Titmus Stereo Test,遠方での眼位検査として大型弱視鏡検査をおこなった。 結果:網膜色素変性症で、視力LogMAR値0.1未満(小数視力0.8以上)の患者の両眼視機能は良好であった。LogMAR値が0.3以上(小数視力0.6未満)の場合、近方視検査(ベレンス、T. S. T検査)で単眼視となっており、大型弱視鏡で精査すると半数以上の患者が上下斜視を有している事がわかった。 結論:網膜色素変性症患者の両眼視は、視力、視野の低下に伴って融像維持が難しくなり単眼視や複視となる事が多い。しかし、周辺視野が残っている場合、大型弱視鏡検査で上下斜視は検出されなかった。
ISSN:0387-5172
1883-9215
DOI:10.4263/jorthoptic.35.175