動物の老化

動物の老化について,愛玩動物での老齢疾患を中心に考察した。近年,犬や猫の寿命は飼育環境の改善,疾患予防等によって飛躍的に延び,今まであまり見られなかった老齢疾患が増加した。人の加齢病変と動物のものとの大きな違いは,限られた動物種で言及すれば犬,猫,家畜では動脈硬化症が少なく,またその程度もきわめて軽いことである。そのため,臨床的に動物で心筋梗塞や脳卒中はまれな疾患である。病態的にも本態性高血圧の存在は動物では確かめられていない。最後に,動物は人と本質的に同一の疾患を多数有する反面,その罹患頻度は品種,動物種によって大きく異なり,きわめて多様である。...

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Published in理学療法科学 Vol. 19; no. 3; pp. 169 - 173
Main Author 中山, 智宏
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 理学療法科学学会 2004
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Summary:動物の老化について,愛玩動物での老齢疾患を中心に考察した。近年,犬や猫の寿命は飼育環境の改善,疾患予防等によって飛躍的に延び,今まであまり見られなかった老齢疾患が増加した。人の加齢病変と動物のものとの大きな違いは,限られた動物種で言及すれば犬,猫,家畜では動脈硬化症が少なく,またその程度もきわめて軽いことである。そのため,臨床的に動物で心筋梗塞や脳卒中はまれな疾患である。病態的にも本態性高血圧の存在は動物では確かめられていない。最後に,動物は人と本質的に同一の疾患を多数有する反面,その罹患頻度は品種,動物種によって大きく異なり,きわめて多様である。
ISSN:1341-1667
2434-2807
DOI:10.1589/rika.19.169