歯科矯正学的牽引側における歯根膜線維芽細胞の免疫組織化学

歯科矯正学的治療の免疫組織化学的基盤,すなわち歯科矯正学的メカニカルストレスを付与したマウスの歯根膜組織を用いて,その初期における病理組織学的変化を調べるとともに,骨芽細胞分化関連因子であるRunx2とMsx2の免疫組織化学的発現の変化について展望した。当該の牽引側歯根膜線維芽細胞は,メカニカルストレスを受けた20分後には両者の強い発現があり,この傾向は時間の経過とともに増強していた。24時間後においては,歯根膜線維芽細胞,骨芽細胞,セメント芽細胞に強発現していた。また,ALPの発現も同様であった。以上の所見から,Runx2は初期の骨芽細胞への分化を誘導し,Msx2はその際の促進因子として働く...

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Published inJournal of Hard Tissue Biology Vol. 18; no. 4; pp. 175 - 180
Main Authors 渡邉, 武寛, 中野, 敬介, 清水, 貴子, 岡藤, 範正, 栗原, 三郎, 山田, 一尋, 川上, 敏行
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 硬組織再生生物学会 2009
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Summary:歯科矯正学的治療の免疫組織化学的基盤,すなわち歯科矯正学的メカニカルストレスを付与したマウスの歯根膜組織を用いて,その初期における病理組織学的変化を調べるとともに,骨芽細胞分化関連因子であるRunx2とMsx2の免疫組織化学的発現の変化について展望した。当該の牽引側歯根膜線維芽細胞は,メカニカルストレスを受けた20分後には両者の強い発現があり,この傾向は時間の経過とともに増強していた。24時間後においては,歯根膜線維芽細胞,骨芽細胞,セメント芽細胞に強発現していた。また,ALPの発現も同様であった。以上の所見から,Runx2は初期の骨芽細胞への分化を誘導し,Msx2はその際の促進因子として働く事が強く示唆された。
ISSN:1341-7649
1880-828X
DOI:10.2485/jhtb.18.175