日本人運動習慣者における第1回緊急事態宣言解除後の運動時の感染予防行動の実態
目的:新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行下に運動を実施するには,運動時にも感染症予防対策が必須である。しかし,運動時の個人の感染予防行動に関する研究は乏しい。本研究の目的は,主に自宅外で運動する運動習慣者における運動時の感染予防行動の実態を明らかにすることである。方法:インターネット調査を用いた記述疫学研究を実施した。2020年2月に初回調査を実施した関東在住日本人2,400名のうち,同年6月,7月に実施した追跡調査に回答した2,149名において,運動場所,運動種目,運動時感染予防行動8項目を尋ね,運動場所や運動種目ごとの感染予防行動の実施割合を算出した。結果:運動習慣者は63...
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Published in | 運動疫学研究 Vol. 23; no. 2; pp. 153 - 162 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本運動疫学会
30.09.2021
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Subjects | |
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ISSN | 1347-5827 2434-2017 |
DOI | 10.24804/ree.2104 |
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Summary: | 目的:新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行下に運動を実施するには,運動時にも感染症予防対策が必須である。しかし,運動時の個人の感染予防行動に関する研究は乏しい。本研究の目的は,主に自宅外で運動する運動習慣者における運動時の感染予防行動の実態を明らかにすることである。方法:インターネット調査を用いた記述疫学研究を実施した。2020年2月に初回調査を実施した関東在住日本人2,400名のうち,同年6月,7月に実施した追跡調査に回答した2,149名において,運動場所,運動種目,運動時感染予防行動8項目を尋ね,運動場所や運動種目ごとの感染予防行動の実施割合を算出した。結果:運動習慣者は636名(29.6%),このうち自宅外で運動する者は431名(67.8%)であった。8項目中,運動を「体調が悪いときには行わない」は,屋内で運動する者で83.3%,屋外で91.5%であった。運動場所,運動種目によらず,「運動後は手を洗う」の実施割合が高く,「運動中のマスクやネックゲーターなどの着用」が低かった。「人との距離を保つ」は,むしろ屋外より屋内で低く,室内球技や武道等実施者で低い割合を示した。結論:本研究の結果より,体調不良時の運動自粛の徹底,屋内運動実施時の飛沫感染予防策の実施等の課題が明らかになった。感染流行が長期化するなか,運動時の感染予防行動について今後も普及啓発の必要がある。 |
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ISSN: | 1347-5827 2434-2017 |
DOI: | 10.24804/ree.2104 |