心内膜下梗塞の検出における造影T1mapの活用法

心筋梗塞評価を目的としたMR遅延造影(LGE)検査は,異常–正常心筋および異常心筋–心内腔血液の二つのコントラストが求められる.しかしLGEでは異常心筋–心内腔血液コントラストが低く,内膜下梗塞の診断に苦慮することがある.本研究の目的は,心内腔血液と接する異常心筋の描出における造影T1mapの有用性を検証することである.2017年6月から18年5月までに当院で心筋梗塞評価のため造影MR検査を施行した患者48例を後方視的に対象とした.LGEと造影T1mapにおいて,異常心筋と心内腔血液のコントラスト比(CR)を求めて比較した.CRはLGEおよび造影T1mapで−0.04±0.11および0.02±...

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Published in日本放射線技術学会雑誌 Vol. 79; no. 12; pp. 1352 - 1358
Main Authors 大久保, 巧, 川﨑, 康平, 原田, 怜奈, 長渡, 努, 松本, 正信, 丸, 繁勘
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本放射線技術学会 2023
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Summary:心筋梗塞評価を目的としたMR遅延造影(LGE)検査は,異常–正常心筋および異常心筋–心内腔血液の二つのコントラストが求められる.しかしLGEでは異常心筋–心内腔血液コントラストが低く,内膜下梗塞の診断に苦慮することがある.本研究の目的は,心内腔血液と接する異常心筋の描出における造影T1mapの有用性を検証することである.2017年6月から18年5月までに当院で心筋梗塞評価のため造影MR検査を施行した患者48例を後方視的に対象とした.LGEと造影T1mapにおいて,異常心筋と心内腔血液のコントラスト比(CR)を求めて比較した.CRはLGEおよび造影T1mapで−0.04±0.11および0.02±0.04となり,有意に造影T1mapが高値であった(P<0.05).強調画像ではなくT1値の差をコントラストとする造影T1mapは,内膜下梗塞の評価において新たな情報を付加できることが示唆された.
ISSN:0369-4305
1881-4883
DOI:10.6009/jjrt.2023-1384